油は遺伝子組換え100%?商品ラベルに記載されない油のヒミツ

油は遺伝子組換え100%?商品ラベルに記載されない油のヒミツ

大豆製品などに書かれている『遺伝子組換えでない』という表示。
この表示を見ると安心して購入することができますよね。

そもそも遺伝子組換えのことがよく分からなくて、その不信感から避けたくなっているのかもしれません。

しかし、日本で最も多く消費されている菜種油、そのほとんどが遺伝子組換えだと知っていますか?
油には商品ラベルに表示されない秘密があるのです。

コメ生産量の2倍!遺伝子組換え作物の輸入量

食用油の97%が輸入品に支えられている日本の油事情。
2013年 財務省の貿易統計では、油の原料となる大豆、菜種、トウモロコシを合計約1,960万トン、海外から輸入しています。

このうち、遺伝子組換え作物は輸入量の80%を占める約1,600万トンです。
ちなみに、日本のお米の生産量は年間約848万トン。
遺伝子組換え作物だけで、お米の生産量の約2倍という莫大な量を輸入しています。

遺伝子組換えって何?

大量に輸入している遺伝子組換え作物。
そもそも遺伝子組換えとは、植物や動物に全くちがう遺伝子を掛けあわせることです。

例えば、従来の品種改良はイネ科のグループ内で種を掛けあわせて、新しい品種を作ります。
一方、遺伝子組換えはイネ科のグループ内ではなく、動物の遺伝子を組み込むなど、自然界では決して交じり合うことのない掛けあわせをおこなうのです。

それにより除草剤や害虫に強い種子を作り、低コストで生産効率を上げられるようになりました。
しかし、自然界の垣根を超えて行なうため、食品の安全性などの問題も抱えています。

油は遺伝子組換え100%

安全性の問題もあるなか、菜種や大豆を原料とする食用油はほぼ100%遺伝子組換えが使われています。
その理由のひとつとして、油には遺伝子組換えの表示義務がありません。
油は遺伝子組換えかどうか検査判断ができないのです。

遺伝子組換えのチェックには、DNAが作るたんぱく質がポイントです。
遺伝子とは生物の遺伝情報を伝えるDNAが集まったもの。DNAはたんぱく質を作る働きがあります。

豆腐や納豆などは加工後もたんぱく質が含まれているため、そのたんぱく質から遺伝子組換えかどうか判断ができます。
しかし、油は製造過程でたんぱく質が分解されるため、遺伝子組換えの判断材料がありません。

そのため、たんぱく質が含まれている食品は表示義務があり、たんぱく質が残っていない油などの食品には表示義務がないのです。

安全性の問題を抱えている遺伝子組み換え食品は、表示義務のある食品にはほぼ使用されず、表示義務のない油や家畜の飼料に多く使用されているのが現状です。

遺伝子組換えの危険性

厚生労働省では、遺伝子組換え食品は安全性を確認し問題はないとしています。

しかし、2012年フランスで発表された研究内容では、遺伝子組換えのトウモロコシを食べたネズミは、早期にガン細胞が発生し、その後巨大化するという実験結果が報告されています。

また、油のようにたんぱく質が無くなったからといって、遺伝子組換え前と同じ成分になったわけではありません。
新しく組換えられた遺伝子によって、他の遺伝子が刺激され、有害物質が発生したり、アレルギー反応が出たりする危険性も考えられています。

まとめ

遺伝子組換え食品は安全性がチェックされ、実際私たちが食べてすぐ何か症状が出たわけではありません。

しかし、食べ続けた先にどうなるかは、今も確認している真っ最中なのです。
今は大丈夫…でも、未来は分からない。
不安を拭い切れないことが、遺伝子組み換え食品の問題点です。

この問題を避けるには国産の油を購入すること。
日本では商業用の遺伝子組換え作物は栽培されていないため、安全といえます。

他にもゴマ、オリーブ、ココナッツ、亜麻仁、えごまなどは、遺伝子組換えの栽培がされていないため、輸入品でもこの危険性はありません。

どんな食べ物にも多少のリスクはあるといわれていますが、毎日食べる油だからこそ、危険性の低いものを安心して食べたいですね。
油については、まだまだ知らないことがたくさんありそうです。
もっと油のことを知って、安全な油を選んでいきましょう。

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