サラダ油は加熱しちゃダメ!炒め物や揚げ物に使える熱に強い油はどれ?

サラダ油は加熱しちゃダメ!炒め物や揚げ物に使える熱に強い油はどれ?

あなたはサラダ油を加熱調理に使ったり、揚げ物に使用した油を何度も使い回していませんか?

じつは、どちらも油を酸化させる間違った油の使い方です。

熱などで酸化した油は、病気や老化を引き起こす危険性があります。
そのため油が酸化しないように、油の使い方には十分注意しなければいけません。

そこで、「加熱していい油」と「加熱してはいけない油」について調べてみました。
どんな油が加熱向きの油なのか、また加熱による油の危険性について見ていきましょう。

じつは、サラダ油は熱い弱い

まず油の使い方で多くの人が間違っているのが、サラダ油の使い方です。

サラダ油は家庭で使われる食用油の定番で、毎日サラダ油を使って炒め物や揚げ物を作っている人も多いはず。
しかし、じつはサラダ油は熱に弱いって知っていますか?

そもそもサラダ油とは、ドレッシングなどに生のまま使用できる精製度の高い油のこと。
サラダ料理にそのまま使用できることから、『サラダ油』と名づけられました。

そのためサラダ油は生食できる油なだけで、加熱調理用ではありません。
むしろ、サラダ油は熱に弱いため、加熱調理に使ってはいけないのです。

では、サラダ油を加熱調理に使ってはいけない理由を詳しく見ていきましょう。

酸化した油は、全身の細胞と脳にダメージを与える

サラダ油などの熱に弱い油は、加熱するとすぐ酸化します。
そして、酸化した油はさまざまな病気や老化を引き起こす危険性があるのです。

なかでも酸化した油の影響を受けやすいのが、全身の細胞と脳。

なぜなら、全身の細胞を包んでいる『細胞膜』と、記憶や感情などをコントロールする『脳の60%』は油(脂質)でできているからです。

そのため酸化した油を摂取すると、細胞膜や脳に悪影響が及ぶと考えられています。

ではどんな影響があるのか、細胞膜から詳しく見ていきましょう。

酸化した油が、動脈硬化やがん、認知症リスクを上げる

私たちの体は、約37兆個(以前は60兆個と考えられていました)の細胞で構成されているのですが、その細胞を包んでいるのが、脂質でできた細胞膜です。

私たちの体は、約37兆個(以前は60兆個と考えられていました)の細胞で構成されているのですが、その細胞を包んでいるのが、脂質でできた細胞膜です。

細胞膜の役割は、菌やウイルスなどの有害物質を避けて、酸素や栄養素など細胞に必要な成分だけを細胞内に取り込むこと。

しかし、酸化した油を摂取すると、細胞膜に含まれる脂質も酸化してしまうのです。

細胞膜に含まれる脂質が酸化すると、細胞膜は柔軟性が奪われて硬くなります。
それにより、体にさまざまな悪影響が引き起こされると考えられているのです。

例えば、血管の細胞膜が酸化すると細胞膜が硬くなるため、血管自体も柔軟性がなくなります。
その結果、動脈硬化が起こりやすく、心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクが上昇。

さらに、酸化した油は細胞内に入り込み、細胞を内側から傷つけます。
内側から傷つけられた細胞は、がん細胞に変わりやすく、発がんリスクを高める原因になるのです。

また、私たちの脳の60%は脂質で構成されています。
そのため酸化した油を摂取すると、脳の働きにも悪影響が及ぶと考えられています。
脳の60%は脂質で構成されています

記憶力や判断力、感情のコントロール、運動能力などの低下。
このような認知能力の低下にともない、認知症を発症する危険性も高まるのです。

このように酸化した油は、全身にさまざまな悪影響を及ぼす危険性があります。
そのため、熱に弱いサラダ油などを加熱調理に使ってはいけないのです。

では、加熱調理にはどんな油を使えばいいのでしょうか。

油には「熱に強い油」と「熱に弱い油」がある

油には、サラダ油のように「熱に弱く酸化しやすい油」もあれば、「熱に強く酸化しにくい油」もあります。
そのため加熱調理には、熱に強い油を選ばなければいけません。

では、どうやって熱に強い油か見分けるかというと、油の成分(脂肪酸)で判断します。
油に含まれる脂肪酸の種類によって、その油が熱に強いかどうかが決まるのです。

なお、主な脂肪酸の種類は4つ。
熱に対する強さと、それぞれの脂肪酸が含まれる代表的な油は下記のとおりです。

 脂肪酸代表的な油
熱に強い飽和脂肪酸
オメガ9
バター
オリーブオイル
熱に弱いオメガ6
オメガ3
サラダ油
亜麻仁油

では、熱に強い成分から順番に見ていきましょう。

まず、バターに豊富に含まれる飽和脂肪酸は、熱に強い油の成分の1つ。
飽和脂肪酸は動物性の脂肪に多く含まれているので、ラードや牛脂なども熱に強い油です。

続いてオリーブオイルの主成分であるオメガ9も、熱に強い成分です。
オメガ9は菜種油や米油にも多く含まれています。

このことから、加熱調理には飽和脂肪酸が多く含まれているバターか、オメガ9が豊富なオリーブオイルなどを使用するようにしましょう。

一方、サラダ油に含まれるオメガ6と亜麻仁油の主成分であるオメガ3は熱に弱い油です。

どのくらい熱に弱いのかというと、油の成分ごとに加熱による酸化の影響を比較した実験があります。

実験に使用された油は、熱に強いオリーブオイル(オメガ9)と、熱に弱い大豆油(オメガ6)・えごま油(オメガ3)の3つ。
それぞれの油を200℃まで加熱し、油の酸化の上昇値が調べられました。
その結果が、こちらです。

実験に使用された油は、熱に強いオリーブオイル(オメガ9)と、熱に弱い大豆油(オメガ6)・えごま油(オメガ3)の3つ。 それぞれの油を200℃まで加熱し、油の酸化の上昇値が調べられました。

まず、えごま油は加熱開始からわずか5分で、一気に油が酸化しています。
えごま油や亜麻仁油に多く含まれるオメガ3は、油の成分の中で最も熱に弱いため、火を通すとすぐに酸化してしまうのです。

そのため、亜麻仁油やえごま油は加熱調理には使えません。
ドレッシングや料理の仕上げにかけるなど、できるだけ生の状態で摂取するのがベストです。

また、大豆油はえごま油に比べると酸化しにくいように見えますが、大豆油やサラダ油に多く含まれるオメガ6も熱に弱い性質があります。

ただ、亜麻仁油やえごま油に含まれるオメガ3よりは酸化しにくいので、弱火で5分などの短時間の加熱であれば、酸化の心配はそれほどありません。

しかし、30分加熱してもほとんど酸化していないオリーブオイルと比べると、大豆油やサラダ油が熱に弱いことは明らか。

加熱時間と比例してどんどん酸化が進むサラダ油や大豆油で、わざわざ加熱調理する意味はありません。

そのため加熱調理にはオリーブオイルやバターを使用し、熱に弱い亜麻仁油やえごま油はそのまま摂取するなど、油の性質ごとに使い分けるのが、正しい油の使用方法です。

ただ、熱に強い油も何度も繰り返し使用してはいけません。
続いて、熱に強い油の注意点を確認していきましょう。

熱に強い油でも、繰り返し使うのはNG!

熱に強い油でも、繰り返し使ってはいけません。

オリーブオイルやバターは、熱に強く酸化しにくい油です。
しかし、どんな油でも一度火を通すと酸化が進みます。

その酸化した油を使い続ければ、油はさらに酸化して体に悪影響を及ぼす危険な油になります。
これでは熱に強い油を選んでいる意味がありません。

そのため1度で油は使い切るように、少量で調理するように心掛けましょう。
揚げ物も少量の油で揚げ焼きすれば、油もほとんど残りません。

なお、熱に強い油の中でも、特におすすめなのはオリーブオイルです。

バターやラードには熱に強い飽和脂肪酸が含まれていますが、飽和脂肪酸は過剰摂取すると悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増やす作用があります。

悪玉コレステロールは全身にコレステロールを運ぶ働きがあるため、体内に増えすぎると動脈硬化が起こりやすくなります。
そのため、毎日の料理に使用するのはおすすめできません。

一方、オリーブオイルに含まれるオメガ9は、悪玉コレステロールの増加を防止する作用があります。

おまけに、オリーブオイルにはオリーブに含まれる抗酸化成分のポリフェノールも含まれているため、体内の脂質の酸化を防ぐ効果も期待できます。

★ここまでの内容のまとめ
・サラダ油は熱に弱いため、加熱調理に使ってはいけない
・酸化した油は、動脈硬化・がん・認知症などを引き起こす原因
・加熱調理には、熱に強いオリーブオイルを使う
・同じ油を繰り返し使用するのはNG!

以上のことを守るだけで、酸化した油の摂取を大幅に避けることができます。

さらに安全な油を摂取するには、油の保存方法や油を選ぶポイントもしっかり押さえておきましょう。

油の酸化を防止する保存場所と容器は?

じつは、油が酸化する原因は熱だけではありません。

油を酸化させる主な原因は、熱・光・空気の3つ。
そのため油の酸化を防止するには、光や空気にも注意する必要があります。

まず光による酸化を防ぐため、油は光が当たらない場所で保存すること。
冷蔵庫保存などの指定がある油は冷蔵庫に、指定がなければ冷暗所に保存するようにしましょう。

また、油は遮光瓶や缶に入ったタイプを選ぶこと。
透明の容器は光を通すため、油が酸化する危険性があります。

なお、ペットボトルは空気を通すため、色付きのタイプもおすすめできません。
おすすめの容器は、黒や深い緑色の瓶、または缶です。

ちなみに、容器は小さいものがおすすめ。
小さい容器なら、容器の中の油が空気に触れる期間が短くなるので、保存中の油の酸化も最小限に抑えることができます。

トランス脂肪酸入りの油に注意

また油の製法も、危険な油を避ける重要なポイントです。
製法によっては、店頭に並んでいる時点ですでに酸化の恐れがある製品もあるのです。

油の製法は大きくわけて2つ。
原料に薬剤(ヘキサン溶剤)を混ぜて油を抽出する溶剤抽出製法と、原料に圧力をかけて油を押し出す圧搾製法です。

ちなみに圧搾製法は、圧力をかける際に発生する摩擦熱の温度によって、高温圧搾と低温圧搾の2つの製法に区別されています。

この3つの製法のうち、安全な製法は『低温圧搾(コールドプレス)』だけ。
残りの溶剤抽出と高温圧搾は、油の酸化を進める危険な製法です。

まず溶剤抽出に使用されるヘキサン溶剤は、ガソリンに似た成分の薬品。
原料と混ぜ合わせると、原料に含まれる油分の99%を抽出することができます。

そのため大手メーカーなどで大量生産される油は、ほとんどがこの溶剤抽出製法です。

ただし溶剤抽出製法の欠点は、薬品の臭いが油に移ること。
ガソリンのような独特な臭いが、抽出された油に残ってしまうのです。

油に残った薬品の臭いを取るため、油は200℃を超える高温の熱風に何度もさらされます。
この脱臭作業により臭いは消えるのですが、油は酸化され、さらに有害なトランス脂肪酸が含まれてしまうのです。

トランス脂肪酸とは、油の成分の1種。
悪玉コレステロールを増やす作用と、善玉コレステロールを減らす作用があり、動脈硬化のリスクを高めます。

このトランス脂肪酸は、油を200℃以上の高温で熱した際に発生します。

そのため、ヘキサンの臭いを取るために加熱が欠かせない溶剤抽出製法では、油の中にトランス脂肪酸が含まれてしまうのです。

酸化の心配がない低温圧搾の油を選ぼう!

また原料に圧力をかけて油を絞り出す圧搾製法は、高温圧搾と低温圧搾で油の傷み具合がちがいます。

まず高温圧搾は、油を絞り出す前に原料を加熱。
原料を熱すると油分が出やすくなるのですが、この時点で油は少し酸化します。

さらに、高温圧搾は圧力を一気にかけて油を押し出します。
すると圧力をかける際に発生する摩擦熱が80℃以上に上昇し、熱に弱い油の成分や栄養素が破壊されてしまうのです。

一方、同じ圧搾製法でもゆっくり圧力をかけると、摩擦熱は60℃以下に抑えられます。

そのため摩擦熱を60℃以下に抑えた低温圧搾製法(コールドプレス製法)は、油の酸化が最小限に抑えられる安全な製造方法です。

低温圧搾製法は一度に取れる油の量が少なく、3つの製法の中で最も効率が悪いですが、熱に弱い油の成分や栄養素が破壊されません。

そのため油を購入する際は、必ず製造方法をチェックしましょう。
製造方法が表示されていないものが多いと思いますが、それは溶剤抽出や高温圧搾で作られた油だから。

安全な製法の低温圧搾で作られた油は、必ず製造方法が表示されています。
表示のないものは選ばず、低温圧搾の表示があるものを選びましょう。

まとめ

油は加熱できるものと思い込んでいましたが、油の中には熱に弱く加熱してはいけない油もあります。
酸化した油を避けるため、サラダ油を使うのは止めて熱に強い油を加熱調理に使用していきましょう。

なお、加熱調理におすすめのオリーブオイルの中でも、私が特におすすめするのは『オリーブハートのオリーブオイル』

オリーブハートのオリーブオイル

特徴は、オリーブの実を収穫してから10時間以内にコールドプレス製法で搾油することで可能になった酸度の低さ。

オリーブハートの酸度は0.5%以下で、国際オリーブオイル協会(IOOC)が定める酸度0.8%の基準をはるかに下回っています。

またオリーブハートは、日本人の舌に合うようにブレンドされた4種類のオリーブオイルが四季ごとに味わえるのも魅力。

苦味を控えめに調合されているので、和食料理やオリーブオイルの独特な風味が苦手な方にもおすすめです。

さらにオリーブハートのオリーブオイルは、EUの食品安全機関「エフサ」の『心臓病や血管の老化を防ぐ効果のあるオリーブオイル』の基準を満たしたヘルシーなオイル。
毎日の料理にも安心して使用できますね。

四季ごとに楽しめるオリーブハートのオリーブオイルを、ぜひご家庭でも味わってください。

⇒オリーブハート公式サイトへ

このページのトップに戻る