骨粗しょう症は牛乳だけでは防げない!?オメガ3で骨密度を保つ!

骨粗しょう症は牛乳だけでは防げない!?オメガ3で骨密度を保つ!

骨がスカスカになる骨粗しょう症。
発症は高齢者に多く、60代は2人に1人、70才以上になると10人に7人が骨粗しょう症といわれ、誰もが避けられない病気です。

骨に良い食品といえば牛乳や小魚が代表的なイメージですが、じつは亜麻仁油やえごま油なども骨を守る効果があります。
骨粗しょう症予防に効く、油の意外なパワーを見てみましょう。

骨粗しょう症は骨の新陳代謝の衰え

そもそも健康な骨は、骨の内部に棒状の骨がたくさんあり、棒状の骨を支えるコラーゲンが十分に含まれています。

骨粗しょう症はその逆で、骨の内部はスカスカ状態。
コラーゲンも不足して支える力が弱く、強度はありません。
その結果、転んだだけで骨折するほど骨がもろくなってしまうのです。

骨粗しょう症の原因は3つ。
それは加齢・カルシウム不足・コラーゲン不足です。
それぞれの原因が、骨に与える影響を順に見ていきましょう。

まず1つ目は加齢です。
じつは骨も肌と同じく、新陳代謝がおこなわれています。

しかし加齢とともに骨の新陳代謝も衰えていくことが、骨粗しょう症を引き起こす原因となります。

骨の新陳代謝とは、破骨(はこつ)細胞によって古い骨を溶かし(骨吸収)、骨芽(こつが)細胞によって新しい骨を作り直す(骨形成)こと。

健康な骨は、この新陳代謝のバランスが取れていますが、加齢が進むにつれて新しい骨をつくる骨形成の働きだけが弱くなっていきます。

ところが骨を溶かす骨吸収の量は変わらないために、骨はどんどん減少してスカスカになるのです。

そのため、骨粗しょう症の発症は高齢者に集中しています。
特に女性に多く、骨粗しょう症患者の8割が女性。
女性が多い理由は、閉経による女性ホルモンの減少が大きく影響しています。

女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨を溶かす骨吸収の働きを抑えると同時に、骨をつくる骨形成を促す作用があります。

しかし閉経すると、エストロゲンの分泌量は一気に減少。
急増する骨吸収の量に、骨形成は追いつかず、骨密度はどんどん低下してしまうのです。

血中のカルシウム不足が骨を減らす

骨粗しょう症の2つ目の原因は、カルシウム不足です。
体内にあるカルシウムの99%は骨や歯に、残り1%は血液や細胞に含まれています。

しかし血液や細胞に含まれるたった1%のカルシウムが、骨粗しょう症に大きな影響を与えています。

じつは血中のカルシウム不足を補う場所は、骨です。
血中のカルシウムが足りなくなると、骨を溶かしてカルシウムを血液に送ります。

そのため血中のカルシウム不足が続くと、骨はどんどん溶かされるため骨密度は低下し、骨粗しょう症となるのです。

骨の柱となるコラーゲン

3つ目の原因は、コラーゲン不足。
骨にコラーゲンなんて関係なさそうに思えますが、じつはカルシウムと同じく骨に欠かせない栄養素です。

骨密度は高いのにも関わらず、転倒によって太ももの付け根を骨折する人がいました。
その原因が骨のコラーゲン不足だったのです。

カルシウムは骨を増やす材料ですが、コラーゲンはその骨を支える柱の役割があります。
コラーゲンが少ないと骨を支える柱が弱いため、骨密度が高くても骨折しやすくなります。

骨を強くするには…

転倒や重いものを持ち上げるだけで骨が折れやすくなる、骨粗しょう症。
高齢者の場合は、治療中に全身の筋力が衰えて寝たきりになる場合も少なくありません。

そうならないためには、骨を強くすること。
食事や運動で骨の強度を保つことが、骨粗しょう症の予防になります。

まず骨の材料であるカルシウムが多く含まれる食品は、乳製品や大豆製品、小魚など。
そして骨の柱となるコラーゲンは鶏皮や牛すじ、フカヒレなどに多く含まれています。

しかしカルシウムは吸収されにくい栄養素なので、吸収を助けるビタミンDやビタミンEと一緒に摂る方が効率よく体内に取り込まれます。
またコラーゲンを劣化させない栄養素は、葉酸やビタミンB6・B12など。

強い骨をつくるには、たくさんの栄養素が必要です。
結局、カルシウムを中心にバランスの良い食事を心がけることが、骨粗しょう症の予防になるのです。

また適度な運動や日光にあたることも、骨の強化につながります。

しかし骨を強くしても、骨吸収によって骨の減少は進んでいきます。
そこで摂取したいのが、亜麻仁油やえごま油、魚に含まれるオメガ3の油です。
オメガ3の油は骨吸収を抑えて、骨密度を維持する効果があるのです。

骨の減少を抑えるオメガ3

オメガ3の骨代謝作用の研究がおこなわれたのは、アメリカのペンシルベニア大学。
研究の結果、サラダ油などに含まれるリノール酸の多い食事よりも、亜麻仁油などオメガ3が多い食事の方が骨吸収の量が少ないことが分かりました。

オメガ3は骨形成に関わるホルモンを活性化し、カルシウムの体外排出量を少なくする作用によって、骨吸収を少なく骨密度を維持することができたのです。

まとめ

高齢での骨折は寝たきりや要介護になるなど、生活環境が大きく変わる恐れがあります。
加齢はだれにも止めることはできません。
しかし、骨粗しょう症を予防することはできます。

骨を強くするには、カルシウムを中心とした食事や適度な運動。
そして骨の減少を抑えるには、亜麻仁油やえごま油、魚に含まれるオメガ3の油です。

特に女性は、閉経が始まる50代前後から急激に骨密度が低下するので、積極的に摂取していつまでも丈夫な骨を保っていきましょう。

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