更年期のホットフラッシュを緩和する茶色の亜麻仁油とは？

閉経前後の約10年間に訪れる更年期。
女性ホルモンの減少によって、体や心にさまざまな症状が現れます。

更年期の症状で代表的なものといえば、急に顔や体がほてり汗が出てくるホットフラッシュ。
人前や仕事場などでも急に起こる、厄介な症状です。

そんな困り者のホットフラッシュですが、じつは亜麻仁油を摂取するだけで症状を緩和することができます。
亜麻仁油が更年期のお助け役となる、その理由を見ていきましょう。

更年期の原因は、脳のパニック

まず更年期とは、女性ホルモンの減少に体が慣れるまでの期間のこと。
女性は30才を過ぎた頃から女性ホルモンの一種であるエストロゲンが徐々に減り、最終的にはほとんど分泌されなくなります。

個人差はありますが、エストロゲンの減少ピークは40代。
そして、多くの人が50才前後で閉経を迎えます。

そのためエストロゲンが大幅に減少する閉経前後の10年間が更年期と呼ばれ、一般的には40代半ばから50代半ばで更年期障害の症状を感じる人が多いです。

そもそもエストロゲンが減る理由は、加齢にともない卵巣機能が衰えること。
卵巣は脳からの指示を受けてエストロゲンを分泌しますが、加齢が進むと分泌量は減っていきます。

するとエストロゲンの分泌量が十分でないため、脳は卵巣に指示を出し続けるのです。

機能が衰えた卵巣は、指示を出されてもエストロゲンを分泌することはできません。
脳は指示を出し続けた結果、パニック状態に。

脳のパニックによって、他のホルモンの分泌や体温、血圧、呼吸、睡眠、精神的なコントロールをおこなう自律神経が乱れ、体にさまざま症状となって現れるのです。

更年期の症状は、ほてりや発汗などのホットフラッシュをはじめ、動悸、頭痛、肩こり、疲労感、イライラや不安感、他にも心身にさまざまな影響を与えます。

症状の種類や期間は個人差があり、全く症状を感じない人もいれば、日常生活に支障が出るほど重症な場合もあります。

更年期症状を和らげる亜麻仁油

更年期の原因となる、エストロゲンの減少は抑えることができません。
そこで摂取したいのが亜麻仁油です。

亜麻仁油に含まれるリグナンは、エストロゲンと同じ作用がある植物エストロゲンのひとつ。
そのため亜麻仁油を摂取することで、更年期の症状を和らげることができます。

亜麻仁油の原料となる亜麻仁（アマという植物の種）に含まれるリグナンの効果は、サントリー株式会社健康科学研究所でも発表されています。

今回の研究で効果が認められたのは2つ。
更年期特有のほてりの軽減と、エストロゲン減少による骨粗しょう症の予防です。

ほてりは更年期の代表的な症状で、どんな場面にも関係なく起こる困ったもの。
ところがリグナンの作用により、ほてりの頻度は減り症状も軽くなります。

さらにリグナンには、骨の減少を抑える作用も。
閉経後の女性は骨量が急激に減るため、骨粗しょう症を発症しやすくなります。

これはエストロゲンの減少にともない、骨に蓄えられたカルシウムが血中に溶けていくことが原因です。

しかしリグナンはエストロゲンと同じ作用があるため、カルシウムが溶け出す量を抑えて骨の減少速度を遅らせることができます。

また亜麻仁に含まれるリグナンの量は、植物の中でもトップクラス。
ゴマに含まれる2倍のリグナンが含まれているため、効率よくリグナンを摂取することができます。

更年期対策には、茶色の亜麻仁油を！

リグナンが豊富な亜麻仁。
その亜麻仁から採れる亜麻仁油にも、リグナンはたっぷり含まれています。
しかし亜麻仁油の特徴ともいえる金色の亜麻仁油には、リグナンが含まれていないのです。

亜麻仁から油と一緒に搾り出されたリグナンは、沈殿物として亜麻仁油の中に含まれます。
茶色く底に溜まるリグナン入りの亜麻仁油は見た目が良くありません。
そのため多くの亜麻仁油はろ過してリグナンを取り除き、きれいな金色となっているのです。

しかし、カナダのラヴァル大学の研究では、亜麻仁油にも含まれているオメガ3の油が更年期症状を緩和することが発表されています。

金色の亜麻仁油でも効果はあるということですが、リグナンの効果も摂り入れたいのであれば、茶色の亜麻仁油を選ぶようにしましょう。

まとめ

女性は誰もが経験する更年期。
自然現象には逆らえませんが、更年期症状を和らげる食品で乗り切っていきたいですね。

ちなみに亜麻仁油以外で、更年期症状を緩和する効果が認められたオメガ3が豊富な食品は、えごま油や青背の魚です。

リグナン入りの亜麻仁油やオメガ3の食品を積極的に食べて、体の変化に少しずつ慣れていきましょう。