妊娠中に摂るオメガ3が、赤ちゃんの脳とママの体を守る!

妊娠中に摂るオメガ3が、赤ちゃんの脳とママの体を守る!

赤ちゃんを授かったことが分かったら、ママに摂ってほしい油があります。
それは亜麻仁油やえごま油、魚油に多く含まれる、オメガ3の油です。

オメガ3の油は、赤ちゃんの脳の発達やママの健康、そして安全なお産を迎えるために欠かせないもの。

しかし、多くの現代人はオメガ3が足りていません。
赤ちゃんとママ自身の体のためにも、妊娠中に摂るオメガ3の重要性を知りましょう。

赤ちゃんの脳を育むDHA

元気な赤ちゃんを安全に産みたいという思いは、妊娠中のママなら誰もが思うもの。
じつはその力となるのが、亜麻仁油やえごま油、魚油に多く含まれる、オメガ3の油です。

妊娠中にオメガ3を摂ることによって、赤ちゃんの脳だけでなく、安全なお産やママの体にも良い効果をもたらします。
では、オメガ3が持つ赤ちゃんやママへの効果を、ひとつずつ見ていきましょう。

まずひとつ目は、赤ちゃんの脳への効果です。
私たちの脳が最も発達するのは、胎児期から幼児期の間。

その発達速度は早く、私たちが一生に使う脳の神経細胞は、妊娠わずか2ヶ月目で完成します。
さらに妊娠から5ヶ月を過ぎた頃には、脳の基本的な機能もつくられるのです。

その後も脳はどんどん発達し、脳の完成度は3才で80%、6才には90%まで達していると考えられています。

この脳の発達に最も必要な成分が、油。
脳の60%は油でできているのです。

特にオメガ3のひとつであるDHAは、脳の発達や働きに必要不可欠。
そのため、妊婦である母親のオメガ3摂取量が、赤ちゃんの脳発達に大きく影響しています。

実際、オメガ3の摂取量が少ない妊婦よりも、オメガ3の摂取量が多かった妊婦から生まれた子どものほうが、言語能力・認知力が発達しており、知能指数(IQ)が高かったことが分かっています。

脳の発達が活発な胎児期に、ママがどれだけオメガ3を摂取するかが、子どもの脳の発達を左右するのです。

オメガ3は、早産・低出生体重児を防ぐ

オメガ3による影響は、赤ちゃんの脳だけではありません。
ママのオメガ3の摂取量が少ないと、早産や低出生体重児の危険性まで高まります。

赤ちゃんは通常、妊娠37週~41週で生まれますが、それよりも早く妊娠22週~36週の間に生まれることを早産といいます。

早産で生まれてくる赤ちゃんは、予定よりも早く生まれるため、まだ成長途中。
そのため、2500g未満の低出生体重児が多くなります。

じつは早産の原因に多い『絨毛膜羊膜炎』(じゅうもうまくようまくえん)は、体内の炎症や感染が引き金です。

絨毛膜羊膜炎は、膣内で菌が増殖して体内に広がり、赤ちゃんを包む絨毛膜や羊膜に炎症を起こします。
絨毛膜や羊膜で炎症が起こると、子宮が収縮して破水するため、早産の危険性が高まるのです。

早産の原因となる絨毛膜羊膜炎を起こさないようにするには、菌の感染・炎症を防ぐこと。
その予防に効果的なのが、オメガ3の摂取です。
オメガ3には、細胞の感染と体内の炎症を防ぐ働きもあります。

まずオメガ3は細胞膜を強化する働きがあるため、細胞への菌の侵入を防ぎ、感染を予防。
さらに優れた抗炎症作用によって体内の炎症を抑制し、絨毛膜羊膜炎を防ぎます。

脳の発達に欠かせないオメガ3は、赤ちゃんが無事にお腹から出てくるためにも重要な役目があったのです。

妊娠中の高血圧・糖尿病・産後うつは、オメガ3で予防する

赤ちゃんの脳の発達と安全なお産に重要なオメガ3は、ママ自身の健康にも大きく関係しています。
それは、『妊娠高血圧症候群』や『妊娠糖尿病』、『産後うつ』の予防です。

妊娠中や産後のママは体内の変化が大きく、妊娠前にはなかった症状が現れることがあります。

そのひとつが、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病です。
妊娠高血圧症候群は20人に1人、妊娠糖尿病は10人に1人の割合で発症するといわれています。

妊娠高血圧症候群になると、赤ちゃんに酸素や栄養が届きにくくなるため、赤ちゃんの発育が悪化。

また妊娠糖尿病は、心臓の肥大や巨大児、流産になる恐れもあります。
産後は正常に戻る場合が多いですが、症状が重くなれば赤ちゃんの命にも関わるため、できれば発症を避けたいところ。

ここでも有効なのが、オメガ3の摂取です。
オメガ3は赤血球を柔軟にする作用があるため、血流を悪くする血栓を防ぎ、高血圧を予防。

また妊娠糖尿病は、妊娠中のインスリンの働きが低下することが原因ですが、オメガ3はインスリンの働きを高める作用があり、血液値を一定にして糖尿病を防ぐのです。

さらにオメガ3は、産後うつの予防・改善にも効果があります。
出産によるホルモンバランスの乱れや、育児などが影響して起こる、産後うつ。

うつは脳の機能低下が大きく関係していると考えられています。
そのため、脳の働きを高めるオメガ3(DHA)を摂ることで、うつを予防・改善する効果が期待できます。

オメガ3は、魚に含まれる水銀の影響をカバーする

妊娠中の摂取によって、さまざまな効果が期待できるオメガ3。
しかしオメガ3が豊富に含まれる青魚には、水銀などの有害物質が含まれているため、妊娠中の摂取に不安を覚える人も多いはず。

ところが、そんな不安を払拭する研究データがあります。
それは、オメガ3が水銀の影響をカバーするというもの。

妊娠中にオメガ3と水銀濃度が高かったママから生まれた子どもの方が、そうでない子どもよりも言語や運動能力の発達が高く、水銀濃度は子どもの発達に影響しないという結果が報告されたのです。

そのため、妊娠中もオメガ3が豊富な魚を積極的に食べましょう。
また、水銀はマグロなどの大きな魚ほど蓄積されているため、イワシやアジといった小魚を中心に食べれば、より安心です。

そしてオメガ3とは反対に控えたいのが、サラダ油などの植物油に多く含まれるリノール酸。
じつは、リノール酸の摂取量が多いと、オメガ3は水銀の影響をカバーできなくなるということも報告されています。

そのためリノール酸の多いサラダ油や、植物油の含まれる加工食品は極力控えることも、同時におこなっていきましょう。

まとめ

オメガ3は、赤ちゃんの脳の発達や安全なお産、ママの体調管理などに効果的な油でした。
しかし、摂り過ぎには注意です。

オメガ3の過剰摂取は、下痢や出血が止まらなくなるため、早産を引き起こす場合があります。
そのため魚は1日1食、亜麻仁油やえごま油は1日小さじ1杯強までにとどめ、摂り過ぎないように気をつけましょう。

またオメガ3は現代人に不足している油なので、産後も継続的に摂り続けたいもの。
妊娠中はお腹の赤ちゃんと一緒に、産後は母乳や食事でお子さまと一緒にオメガ3を摂っていきましょう。

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