脂肪酸バランスを整えろ!体に悪影響がある油は何?
コレステロールの話にも登場した脂肪酸。
脂肪酸は種類によって作用が異なり、コレステロールを増やすものと、減らすものがありました。
他にも便秘や花粉症、さらには命にかかわる病気にまで、脂肪酸は影響を与えています。
現代は体内の脂肪酸バランスが崩れ、それによって多くの人が何らかの健康被害を感じているとまでいわれています。
脂肪酸のバランスが崩れるって、一体どういうことなんでしょう?
脂肪酸のバランスを良くするために、私たちが気をつけること。
脂肪酸の働きや特徴を知りながら、答えを見つけていきましょう!
脂肪酸の種類
脂肪酸は炭素・水素・酸素で構成され、つながり方のちがいで大きく4つの種類に分かれます。
それぞれの脂肪酸の名前・働き・過剰摂取と不足時の体への影響・その脂肪酸が多く含まれる主な食品は、下記のとおりです。
▼飽和脂肪酸
・働き:コレステロール・中性脂肪を増やす
・過剰摂取:動脈硬化、高血圧
・不足:特になし
・主な食品:動物性の脂身、バター、ココナッツオイル、パーム油など
▼一価不飽和脂肪酸 オメガ9
・働き:悪玉コレステロール減らす、胃酸を調整、便通をよくする
・過剰摂取:特になし
・不足:特になし
・主な食品:オリーブオイル、菜種油、米油、ヘーゼルナッツ、ウナギなど
▼多価不飽和脂肪酸 オメガ6(必須脂肪酸)
・働き:悪玉コレステロール・中性脂肪を減らす、血圧や免疫機能を調整する、脳の働きを良くする
・過剰摂取:動脈硬化、アレルギー発症、認知症、ガン
・不足:発育不全、免疫力低下
・主な食品:サラダ油、大豆油、紅花油、ゴマ油、グレープシードオイル、くるみ、レバーなど
▼多価不飽和脂肪酸 オメガ3(必須脂肪酸)
・働き:動脈硬化・高血圧を予防する、ガン細胞抑制、アレルギー症状を改善する、脳の働きを良くする、ストレスを和らげる
・過剰摂取:血が止まりにくくなる、下痢
・不足:動脈硬化、アレルギー発症、脳の発育不全、認知症、うつ
・主な食品:亜麻仁油、えごま油、青背の魚など
必須脂肪酸とは、体内でつくることができないため、食事で補う必要がある脂肪酸のことです。
しかし、現代の食生活では多価不飽和脂肪酸のオメガ6を過剰に摂りすぎ、オメガ3が不足した脂肪酸のバランスが崩れた状態です。
今起きている健康被害の多くは、この2つのバランスが崩れたことが始まりと考えられています。
なぜ、過剰摂取に気づかない?
過剰摂取となっているオメガ6の脂肪酸は、サラダ油や大豆油、ゴマ油など日常的に使う油に多く含まれています。
サラダのように油を使わない料理でも、マヨネーズやドレッシングをかけますよね。
マヨネーズなどの中には、リノール酸の油が含まれているものがほとんどです。
油を食べるという感覚はありませんが、私たちは気づかない内にいろんな食品から油を食べているのです。
反対に不足しているオメガ3の脂肪酸は、亜麻仁油やえごま油など、植物油の中でも限られたものにだけ含まれています。
魚の油にも含まれていますが、肉が主流となった現代の食事では魚を食べる頻度が少なく、オメガ3の摂取がより減っていきました。
オメガ6は毎日摂り、オメガ3は滅多に摂らない。
こうした食生活が続き、脂肪酸のバランスが崩れていったのです。
サラダ油は使わない!
脂肪酸のバランスを整えるには、過剰になっているオメガ6を減らし、不足しているオメガ3を増やすことです。
料理で毎日使う油はオメガ6じゃないものに変える!
つまり、サラダ油は使わないことです。
代わりにオメガ3の亜麻仁油やえごま油を使いたいところですが、この脂肪酸は熱に弱く加熱調理には向きません。
亜麻仁油やえごま油は、熱を通さないサラダなどのドレッシングに取り入れましょう。
加熱調理に使う油は、熱に強く酸化しにくいオリーブオイルや米油をおすすめします。
まとめ
脂肪酸にも種類があり、そのバランスを保つことが健康な体には大切なことでしたね。
『オメガ6は減らす、オメガ3は増やす』
これは今すぐ気をつけたいことです。
そして、脂肪酸はバランスが命。
オメガ6とオメガ3以外の、2つの脂肪酸バランスはどうなのか。
肉の脂身などに含まれる飽和脂肪酸は、肉類の食事が多い現代では十分足りています。
また飽和脂肪酸の一部は体内に入ると、オリーブオイルなどに含まれるオメガ9に変換されるのです。
この2つの脂肪酸は体内でもつくることができるので、多く摂る必要はありません。
肉は控えめにし、それよりも魚の食事を増やすようにしましょう。
脂肪酸がもたらす体への影響は症状別に、どんな時にどの油を使えばいいのかは油の選び方で、もっと詳しい内容をお話します。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。