冷凍食品やレトルト・インスタント食品は外国産の危険な食材が原料?

冷凍食品やレトルト・インスタント食品は外国産の危険な食材が原料?

冷凍食品やレトルト、インスタントなどの加工食品は、忙しいときに欠かせない便利なアイテムです。

しかし原料に、残留農薬が心配な中国産の野菜や、成長ホルモン剤を投与されたアメリカ産の牛肉など、体への影響が不安なものが多く使われています。

また使用される添加物の中には、骨を弱める危険なものまであるのです。

そこで、冷凍食品やレトルト、インスタント食品の危険性について調べてみました。
何が危険でどんな点に注意すれば良いのか、一緒に確認していきましょう。

冷凍食品やレトルト食品の原料は、ほぼ外国産

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冷凍食品やレトルト、インスタント食品は便利だけれど、何となく体への影響に不安を感じている人も多いはず。
その不安要素の原因は、主に2つあります。

それは、原料のほとんどが外国産であることと、添加物がたくさん含まれていること。
では、原料の問題点から詳しく見ていきましょう。

残留農薬の量は、基準値の10倍以上?

残留農薬の量は、基準値の10倍以上?

冷凍食品やレトルト、インスタント食品に使用される食材は、中国産の野菜やアメリカ産の牛肉など、ほとんどが外国産です。

その理由は、日本の食料自給率はわずか4割程度(カロリーベースで計算)だから。
残り6割もの食料を海外からの輸入品に頼っているのです。

なお国産の食品は、ほとんどがスーパーや国産食材を取り扱う外食産業などに回されます。
そのため加工食品用として国産を確保することは難しく、結果的に外国産の食材の割合が多くなってしまうのです。

しかし、問題は外国産の食材を利用することではなく、輸入食品に対する検査の甘さです。

日本と海外では認可されている農薬や添加物の種類・使用量にちがいがあるため、輸出国では問題なくても日本では違反食品になる場合があります。
また、食品の多くは船で輸送されるため、赤道付近の通過などによる温度変化を受けて、食品が腐敗したりカビが生える恐れもあります。

また、食品の多くは船で輸送されるため、赤道付近の通過などによる温度変化を受けて、食品が腐敗したりカビが生える恐れもあります。

そのため海外から食品を輸入する際は、品質に異常や問題がないか安全性を確認しなければいけません。

まず野菜や果物などの農産物は、農林水産省の植物防疫所にて病害虫の付着の有無を、牛肉やソーセージなどの食肉製品は、農林水産省の動物検疫所にて伝染病の恐れがないか検査されます。

病害虫や伝染病が確認された食品は、消毒されたり廃棄処分に。
なかには輸出国へ返送される場合もあります。

一方、病害虫や伝染病の検査に合格した食品は、次に厚生労働省の検疫所で審査されます。
輸入主が厚生労働大臣へ提出した輸入届出をもとに、食品衛生法を守っているか調べられるのです。

審査不合格の食品は、残留農薬や毒性の検査をおこない安全性が確認されない限り、輸入の許可は下りません。

しかし、実際に食品を確認するのではなく書類だけの確認なので、ほとんどの食品が合格となり、輸入が認められます。
実際に検査を受ける食品は、ほんの一握りなのです。

平成27年度の輸入食品監視統計(厚生労働省より発表)によると、2015年の届出件数は約225万件ありましたが、そのうち実際に検査がおこなわれたのは約19万件のみ。
わずか8.7%しか、検査されていません。

参照元:厚生労働省-輸入食品監視統計

なお、検査を受ける食品は書類確認の時点で違反の疑いがある食品だけでなく、書類だけで輸入が認められた食品もランダムで抜き打ち検査(モニタリング検査)されます。

ただ、書類確認で輸入が認められた食品は1点だけ検査に回して、残りは検査結果を待たずに市場に流通されます。

そのため違反食品だと発覚したときには、すでに私たちが食べ終えていることもあるのです。

実際に2014年度のモニタリング検査では、販売・消費後に違反食品と発覚したものが、合計で10万kgもありました。(下記の表を参照)

このように書類だけで輸入が認められた食品の中には、残留農薬が基準より10倍も高いものや、放射性セシウムの値が基準値の2倍近くあるもの…。

さらに、激しい腹痛や下痢の症状に襲われる腸炎ビブリオ菌が、基準値の11倍も検出されるものなど、危険なものがたくさん含まれていました。

冷凍食品やレトルト、インスタント食品には、このような危険性のある材料が使用されている恐れがあるのです。

アメリカ産やオーストラリア産の肉は、成長ホルモン剤使用の危険性がある

アメリカ産やオーストラリア産の肉は、成長ホルモン剤使用の危険性がある

日本は野菜や果物などの農産物だけでなく、牛や豚、鶏などの食肉も大量に輸入しています。
そこで気になるのが、家畜に使用される成長ホルモン剤の影響です。

成長ホルモン剤は家畜を効率よく生育させますが、成長ホルモンの残留した肉を食べると、がんの発生リスクが高まることが、日本癌治療学会やさまざまな研究機関で警戒されています。

特に乳がんや子宮がん、前立腺がんなどのリスクを高めるとして、成長ホルモン剤を使用した食肉が危険視されているのです。

日本は成長促進を目的とする成長ホルモン剤の使用を禁止していますが、輸入品は例外です。

国内の使用を禁止しているにも関わらず、輸入肉は成長ホルモン剤の使用を容認。
そのため成長ホルモン剤の残留の危険性がある肉が、どんどん国内で流通しているのです。

なお、成長促進の目的で成長ホルモン剤の使用が認められている国は、アメリカ、オーストラリア、カナダです。
日本はいずれの国からも肉を輸入していて、多くの加工食品に利用されています。

続いて、加工食品に含まれる添加物の危険性について見ていきましょう。

加工食品は骨を弱めるリンが多い

加工食品は骨を弱めるリンが多い

食品添加物はがんやアレルギーを起こす危険なものとして、摂取に抵抗がある人も多いはず。

ただ食品に使用される添加物はADI(1日摂取許容量)といって、一生毎日食べ続けても健康に問題ない量が定められ、その範囲内で使用されています。
そのため毎日添加物を摂取しても問題ないということ。

しかし同じ冷凍食品やインスタント食品を繰り返し食べれば、栄養バランスは乱れていきます。
また同じ添加物ばかりを摂取することで、体に悪影響を及ぼす危険性が出てくるのです。

その1つが、リンの過剰摂取です。

リンはカルシウムと同じく骨や歯を構成する成分ですが、摂り過ぎるとカルシウムや鉄の吸収を阻害して、貧血や骨粗鬆症、腎機能障害を引き起こします。

なお、リンは肉や魚、豆類、乳製品などの食品に含まれていて、私たちはそれらの食品から体に必要な量を十分摂取できています。

ところが、リンはさまざまな添加物にも含まれているため、私たちは必要以上にリンを摂り過ぎているのです。

さらに魚や肉などの食品由来のリンに比べて、化学的に合成された添加物のリンは体内に吸収されやすく、より体に影響しやすいと考えられています。
そのため添加物のリンには、注意しなければいけません。

ちなみに、リンはリン酸塩やリン酸カルシウムなど、表示を見ただけでリンが含まれていることが判断できる場合もあれば、酸味料やイーストフード、かんすいなど、表示だけでは判断できないものもあります。

リンが含まれている添加物

リンが含まれている添加物

酸味料、乳化剤、pH調整剤、結着剤、膨張剤、品質改良剤、かんすい、イーストフードなど

ただリンが含まれる添加物は多いので、ほとんどの加工食品に含まれていると考えられます。
リンの過剰摂取を防ぐには、加工食品の利用回数を減らすしかありません。

またインスタントラーメンなどで麺を茹でる場合は、少し手間ですが茹で汁とスープのお湯を分けて作りましょう。

リンだけでなく添加物は水溶性が多いので、茹で汁とスープを分けて作れば添加物の摂取量を抑えることができます。

続いて、冷凍食品による食中毒やカップ容器・缶詰の毒性について見ていきましょう。

冷凍食品は食中毒を起こしやすい?

冷凍食品は食中毒を起こしやすい

2016年11月、腸管出血性大腸菌O-157の集団食中毒が発生。
食中毒の原因となった食品は、冷凍のメンチカツでした。

しかし、ほとんどの菌は0℃以下になると活動できなくなります。
冷凍食品はマイナス18~22℃の冷凍庫で保存されるため、菌が活動したり増殖することはできないはず…。

それなのに、なぜ食中毒が起きたのでしょうか?

その理由は、食中毒を起こした冷凍のメンチカツは冷凍食品ではなく、『そうざい半製品』だったから。

そうざい半製品とは、焼く前のギョーザや衣を付けた豚カツなど、加熱前までの下準備が済んだ状態で販売される食品です。
ほぼ生の状態なので、生肉と同じく生鮮食品として扱う必要があります。

なお、今回食中毒を起こしたメンチカツも、そうざい半製品のメンチカツをただ冷凍しただけであって冷凍食品とは別物です。

そもそも冷凍食品は厚生労働省によって加工や保存方法、食品に生息する細菌の数などが定められています。

さらに電子レンジで解凍したり自然解凍で食べられる冷凍食品は、調理冷凍食品といって加熱調理後に急速冷凍されたもの。
加熱によって菌は死滅し、凍結時間を短くすることで菌の増殖も防止されているのです。

一方、そうざい半製品は加熱調理が必要なことが表示されるくらいで、特別な衛生基準は設けられていません。

とはいえ、食中毒の原因菌となった腸管出血性大腸菌O-157を含むほとんどの菌は、75℃以上で1分以上加熱すれば死滅するため、しっかり火を通せば食中毒は予防できます。

ただ、凍ったまま揚げるときは注意が必要。
凍った状態では中心部に火が通りにくく、表示時間のとおり揚げても中心部の加熱が不十分で食中毒を起こす場合があるのです。

凍った状態では中心部に火が通りにくく、表示時間のとおり揚げても中心部の加熱が不十分で食中毒を起こす場合があるのです。

食中毒を起こさないためにも、冷凍のそうざい半製品は調理前に冷蔵庫や電子レンジで解凍したり、中心部まで熱が通っているか中を確認するようにしましょう。

また冷凍食品の賞味期限は8ヶ月から長いものでは2年間と、長期保存が可能です。
ただ、この期限は保存方法をしっかり守っていなければ保証されません。

冷凍庫の扉部分は庫内よりも温度変化が激しいので、長期保存するものは置かないようにしましょう。

インスタントラーメンの油は酸化している?

インスタントラーメンの油は酸化している?

冷凍食品だけでなく、レトルトやインスタント食品も品質の劣化を防ぐため、保存方法を守りましょう。

保存状態が悪ければ賞味期限を過ぎていなくても、吐き気や腹痛を起こす場合もあります。
なかでも注意が必要なのは、インスタントラーメンです。

インスタントラーメンは油で揚げた麺が含まれているため、保存状態が悪いと油の酸化が進みます。
酸化した油は体内に活性酸素を発生させて、細胞を傷つける危険性があるのです。

そのためJAS規格により、揚げ麺を使用した即席めん(フライめん)は油の劣化状態を表す油の酸価は1.5以下と設定されています。

ちなみに、食用油の酸価は0.2前後。
食用油と比べると、即席めんの油の酸化は進んでいます。

とはいえ、酸化防止剤を添加して油の酸化を防いでいるので、賞味期限内は酸化の心配なく食べることができます。

ただ期限後は油の酸化が進むので、インスタントラーメンは保存方法を守り必ず期限内に食べましょう。

カップ容器や缶にある、環境ホルモンの危険性

カップ容器や缶にある、環境ホルモンの危険性

インスタントラーメンは油の酸化だけでなく、容器も以前問題となりました。

1998年、発泡スチロールの容器に熱湯を注ぐと、環境ホルモンと呼ばれる内分泌かく乱化学物質が溶け出すと疑われたのです。

環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)は、神経系やホルモン、免疫機能に悪影響を及ぼす危険なもの。
そのため、食品メーカーは容器を紙製品に変更して対応しました。

ところが、2000年に環境省は発泡スチロールによる環境ホルモン影響は確認できないとして、カップ容器による環境ホルモンの危険性を否定。

これにより、現在のカップ麺は発泡スチロールの容器も使用されています。

問題ないとはいえ、東京都健康安全研究センターがおこなった動物実験では、環境ホルモンが確認されたという報告もあり、不安は拭いきれていません。

また、缶も環境ホルモンの疑いがある容器です。

缶詰の内部の塗装剤には、環境ホルモンのビスフェノールA(BPA)が含まれています。
カップ容器とちがい、ビスフェノールAは環境ホルモンの一種と考えられているため、缶詰ばかり食べるのは危険です。

最近はビスフェノールAを含まない、PETラミネート型などの開発も進められているので、PETラミネート型の缶詰があれば、ぜひそちらを選びましょう。

最後は、缶詰食品で利用の多いトマト缶のお話です。

イタリア産のトマト缶は中国産?

イタリア産のトマト缶は中国産?

缶詰をあまり買わなくても、トマト缶だけは利用したことがある人も多いはず。
イタリア産のトマト缶はパスタやシチュー、カレーなど幅広く使用できる便利なアイテムです。

しかし、イタリア産のトマト缶のトマトの多くは中国産だと知っていますか?

じつは加工食品は最終工程をおこなった国を原産地として表示することができます。
そのためイタリアは中国産のトマトを輸入し、イタリアで加工してイタリア産として販売しているのです。

また複数の食材を使用している場合は、重量が50%以上の食品しか産地を表示する義務はありません。

例えば国産牛肉を50%以上使えば、残りの49%以下は外国産の肉を使用しても、国産としか表示されないのです。

このように、冷凍食品やレトルト、インスタントなどの加工食品は便利だけれど、さまざまな危険性があります。

安全な食を求めるなら、できる限り利用回数は減らしていきましょう。

まとめ

冷凍食品やレトルト、インスタントなどの加工食品は、ほぼ調理済みの状態で販売されるため、原料や食材の産地は自分で確認しない限り知ることはできません。

私たちの体は、自分が食べたものだけでしか作られません。

自分や家族が食べる食品は、どこでどんな風に作られたものなのか把握して、安心できるご飯を食べていきましょう。

参考資料:NEWSポストセブン-嘘だらけ原産地表示
参考資料:海外情報-中国産トマト加工品の製造および輸入動向

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