免疫力低下は腸内環境の悪化!肉の過剰摂取が善玉菌を減らし悪玉菌を増やす

免疫力低下は腸内環境の悪化!肉の過剰摂取が善玉菌を減らし悪玉菌を増やす

「ちゃんと寝たのに体がダルい」「風邪を引くとなかなか治らない」などを感じる人は多いと思いますが、じつはこれは免疫力が落ちているサイン。

ちなみに免疫力は加齢やストレス、睡眠不足などの影響によって低下するのですが、本当の原因はどれも「腸内環境の悪化」だと知っていますか?

そのため免疫力の低下を防ぐには、腸内環境を整えることが重要です。

なお、腸内環境に大きな影響を与えているのが、私たちの食生活。
じつは現代の食生活は腸内環境を悪化させやすく、それにより免疫力が低下しているというのです。

そこで腸内環境と食事の関係について調べてみました。
食事が腸内環境や免疫力にどう関わっているか、確認していきましょう。

現代人は免疫力が低下している!

現代人は免疫力が低下している!

そもそも免疫とは、体内の免疫細胞がウイルスや菌などの侵入を防いだり、体内で発生した有害物質を死滅させたりして、自分の体を守る機能のこと。

体内では毎日3,000~5,000個のがん細胞が発生していますが、私たちががんを発症せずに済んでいるのは、免疫機能が正常に働いているから。

そのため健康な体を保つには、免疫力を低下させないことが重要です。

しかし、免疫力のピークは20代~30代前半。
40歳を超えると免疫力はどんどん低下するため、高齢になるほど感染症やがんなどを発症しやすくなります。

40歳を超えると免疫力はどんどん低下するため、高齢になるほど感染症やがんなどを発症しやすくなります。

また加齢だけでなく、ストレスや睡眠不足、偏った食生活などでも免疫力は低下します。

じつは近年危険視されているが、ストレスや睡眠不足などの生活習慣による免疫力の低下。
現代人はストレスや睡眠不足などの生活習慣の影響により、年齢に関係なく免疫力が低下しているのです。

この生活習慣により免疫力が低下する症状は、『現代型免疫低下』といって高齢や健康面で問題があるわけでもないのに免疫力が低下すること。

下記のような症状が1つでも当てはまる人は、現代型免疫低下の可能性があるとされています。

【現代型免疫低下の特徴】

  • 風邪を引くとなかなか治らない
  • 口内炎やヘルペスがすぐできる
  • しっかり寝ているのに疲れが取れない
  • 季節の変わり目などの温度変化で、体調を崩しやすい
  • なんとなく体がシャキッとしない
  • 花粉症やアトピーの症状がひどくなった
  • 重要な日(会議や試験など)の前は、体調を崩しやすい
  • 久しぶりに激しい運動をしたら、風邪を引いた

ほとんどの人が、いずれかの症状に心当たりがあると思います。
免疫力の低下は高齢者だけの問題ではないのです。

なお免疫力の低下を防ぐには、ストレスや睡眠不足の解消、食生活の見直しなどが必要ですが、根本的な原因を改善しない限り、免疫力の低下を防ぐことはできません。

加齢やストレスなど免疫力を低下させる要因はさまざまありますが、じつはどの要因も根本的な原因は『腸内環境の悪化』。

じつは、免疫力を発揮する免疫細胞の60~70%は腸内に存在しています。

じつは、免疫力を発揮する免疫細胞の60~70%は腸内に存在しています。

そのため腸内環境が良いと免疫細胞は活発に働くことができますが、腸内環境が悪いと免疫細胞は十分に働くことができないのです。

免疫細胞がうまく働かないと、ウイルスや菌など体に有害な物質を排除することができなくなるため、免疫力が低下するのです。

ですから免疫力の低下を防ぐには、腸内環境を整える必要があります。

免疫力低下の原因である加齢やストレス、睡眠不足なども、腸内環境を悪化させることで免疫力の低下を引き起こしていたのです。

※(加齢やストレスなどが腸内環境を悪化させる理由は、後半の「加齢やストレス、睡眠不足などで免疫力が低下する理由」でお伝えします)

肉の過剰摂取が免疫力を下げる

肉の過剰摂取が免疫力を下げる

なお、免疫力に関わる腸内環境は食事の影響を大きく受けます。
そのため免疫力の低下を防ぐには、腸内環境を整える食事を心掛ける必要があります。

しかし、私たちの食生活は腸内環境を整えるどころか、悪化させる危険性があるのです。

特に問題なのが、肉の過剰摂取。
現代人は肉などの高脂肪・高タンパク質の過剰摂取により、腸内は悪玉菌の勢力が強くなっています。

じつはこの悪玉菌が優勢の腸内環境が、免疫力低下の根本的な原因。

免疫力の低下は、免疫細胞がうまく働けないことにより引き起こされますが、免疫細胞がうまく働けない環境が、この悪玉菌が優勢の腸内なのです。

悪玉菌のエサは脂肪やタンパク質で、特に好むのが動物性のタンパク質。
日本人の肉の摂取量は、食の欧米化や糖質制限ダイエットなどの影響によりどんどん増加しています。

その結果、私たちは動物性の脂肪やタンパク質を大量に摂取しているため、体内では悪玉菌が増えやすい環境になっているのです。

この悪玉菌が優勢の腸内環境を変えるには、善玉菌を増やす必要があります。

では、悪玉菌や善玉菌がどのように免疫力に影響しているか、詳しく見ていきましょう。

免疫力の強さは、腸内環境で決まる

免疫力の強さは、腸内環境で決まる

私たちの腸内には、100種類を超える菌が100兆個以上住み着いています。
代表的な菌はビフィズス菌や乳酸菌、大腸菌などがあり、体内への作用によって下記の3つに分類されます。

    腸内細菌の種類

  • 【悪玉菌】大腸菌・ウェルシュ菌・ブドウ球菌など
  • 【善玉菌】乳酸菌・ビフィズス菌など
  • 【日和見菌】バクテロイデス菌・レンサ球菌など

体への影響を1つずつ見ていきましょう。
まず、悪玉菌はタンパク質を腐敗させて有害物質を作り出し、善玉菌の働きを弱めます。

さらに有害物質から発がん物質を作り出したり、腸内をアルカリ性にして酸性を好む免疫細胞の活動を抑えて免疫力を低下させます。

一方、善玉菌は腸内を酸性に変えて菌やウイルスの侵入を防御。
腸内を酸性にするので、酸性を好む免疫細胞も活性化されて免疫力も高まります。

日和見菌は、悪玉菌と善玉菌のうち勢力が強いほうの味方になります。

ちなみに腸内に存在する菌の割合は、善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%。
ですから腸内環境の良し悪しは、日和見菌が悪玉菌と善玉菌のどちらに傾くかで決まります。

悪玉菌が優勢の腸内

●悪玉菌 ○善玉菌 △日和見菌
悪玉菌が優勢の腸内

善玉菌が優勢の腸内

○善玉菌 ●悪玉菌 △日和見菌
善玉菌が優勢の腸内

なお腸内細菌が生息できる場所には限りがあるため、悪玉菌が増えれば善玉菌が減り、善玉菌が増えれば悪玉菌が減ります。

ですから免疫力の低下を防ぐには、いつも善玉菌が優勢の腸内環境を保つ必要があるのです。

では、善玉菌を優勢にする方法を見ていきましょう。

ヨーグルトなどから善玉菌を摂取して、免疫力を高める

ヨーグルトなどから善玉菌を摂取して、免疫力を高める

腸内を善玉菌優勢にする方法は、善玉菌を摂取すること。
善玉菌が豊富に含まれているヨーグルトや味噌、漬物、納豆、チーズなどの発酵食品を摂取することです。

ヨーグルトなどはお腹の調子を整える作用が有名ですが、腸内環境を整えるには発酵食品の摂取がやはり効果的。
ですから、ヨーグルトをはじめとする発酵食品を積極的に摂取する必要があります。

ちなみに、ヨーグルトなどの発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、人によって合うものと合わないものがあります。
そのため腸内環境を整えるには、自分の体質に合った乳酸菌を摂取しなければいけません。

ただ、自分の体質に合うかどうかは摂取してみないとわからないので、まずは2週間摂取してみましょう。
発酵食品の中でもヨーグルトは朝食やおやつに取り入れやすいので、色んな種類を順番に試していくのもおすすめです。

体質にあっていれば、便秘が改善されたり体のダルさが軽減されるなどの体調の変化を感じることができます。
反対に体質にあっていなければ、短期間で体調の変化を感じることはありません。

なお、2週間の摂取で体調に変化がなくても、さまざまな種類の善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌など)を摂取することは無駄ではありません。

なぜなら乳酸菌やビフィズス菌は、種類によって腸内で存在する場所がちがうから。

乳酸菌やビフィズス菌は、種類によって働く場所がちがう

乳酸菌やビフィズス菌は、種類によって働く場所がちがう

ですから、色んな食品から種類のちがう乳酸菌やビフィズス菌を摂取するほうが、腸全体の善玉菌を増やすことができます。

ちなみにビフィズス菌は酸素に弱かったり、乳酸菌も胃酸でほとんどが死滅するため、生きて腸まで届く強い性質の乳酸菌が注目されています。

たしかに生きて腸まで届くのも重要ですが、死滅した乳酸菌は腸内の善玉菌を増やしたり、有害物質を排出させる作用があるので、菌の死滅は心配する必要はありません。

また、乳酸菌はヨーグルトに含まれる動物由来の乳酸菌や、漬物に含まれる植物由来の乳酸菌などがありますが、腸内環境の改善効果が高いのはヒト由来の乳酸菌です。

特に赤ちゃん由来の乳酸菌は力が強く、腸内に長くとどまって腸内を善玉菌優勢にします。
特に赤ちゃん由来の乳酸菌は力が強く、腸内に長くとどまって腸内を善玉菌優勢にします。

    赤ちゃん由来の乳酸菌

  • ガセリ菌
  • ビフィズス菌B-3
  • 乳酸菌抽出物LFKなど

これらの菌が含まれているヨーグルトなどもあるので、ぜひ試してみてください。

また、大腸の善玉菌の約99.9%はビフィズス菌です。
しかしビフィズス菌は酸素に弱く、ビフィズス菌が豊富に含まれている製品は多くありません。

ですから体内のビフィズス菌を増やすには、ビフィズス菌のエサになる食品の摂取によって増加を促します。

ビフィズス菌の栄養源はオリゴ糖なので、オリゴ糖が多く含まれている、きな粉やゴボウ、ハチミツ、バナナ、タマネギ、キャベツ、にんにくなどの摂取が効果的です。

その他には、食物繊維は善玉菌の種類に関係なく、善玉菌の増加や働きを助ける作用があります。
さらに悪玉菌や悪玉菌が作り出した有害物質に絡まり、一緒に体外に排出させる効果もあります。

食物繊維は野菜や果物に多く含まれていますが、特に豊富な食品はインゲンや大豆、小豆、シソ、ゴボウ、ひじき、切り干し大根など。

食物繊維は野菜や果物に多く含まれていますが、特に豊富な食品はインゲンや大豆、小豆、シソ、ゴボウ、ひじき、切り干し大根など。

発酵食品と一緒に、これらの食品も積極的に摂取しましょう。

ここまでの免疫力を高めるポイントは、下記のとおり。

免疫力を高める ⇒ 腸内の善玉菌を増やす

【善玉菌を増やす方法】
1,善玉菌が豊富なヨーグルトなどの発酵食品を食べる
2,オリゴ糖が多いバナナやきな粉を摂取し、ビフィズス菌を増やす
3,食物繊維を摂取して、善玉菌を増やし悪玉菌を体外へ排出させる

上記の内容と同時に、悪玉菌のエサとなる肉の過剰摂取も控えるようにしましょう。

続いて、加齢やストレス、睡眠不足などが腸内環境にどのような影響を与えているか、確認しましょう。

加齢やストレス、睡眠不足などで免疫力が低下する理由

加齢やストレス、睡眠不足などで免疫力が低下する理由

加齢やストレス、睡眠不足なども、腸内環境を悪化させることで免疫力を低下させます。
どのような仕組みなのか、1つずつ見ていきましょう。

善玉菌は年齢とともに減少する

善玉菌は年齢とともに減少する

まずは加齢による免疫力の低下ですが、善玉菌の1つであるビフィズス菌は、年齢とともに減少します。

生まれたての赤ちゃんの腸内細菌は、ビフィズス菌が90%以上を占めていますが、生後3日を過ぎるとビフィズス菌の数はどんどん減少。

幼児期にはビフィズス菌の割合は約10%に減り、60歳以上は1%以下まで減少するのです。

まずは加齢による免疫力の低下ですが、善玉菌の1つであるビフィズス菌は、年齢とともに減少します。   生まれたての赤ちゃんの腸内細菌は、ビフィズス菌が90%以上を占めていますが、生後3日を過ぎるとビフィズス菌の数はどんどん減少。   幼児期にはビフィズス菌の割合は約10%に減り、60歳以上は1%以下まで減少するのです。

このように、年齢とともに免疫細胞を活性化させる善玉菌が減少するため、年を重ねるほど免疫力が落ちてしまうのです。

そのため、より意識して食事から善玉菌を摂取することが重要です。

ストレスを感じると、悪玉菌が増える

ストレスを感じると、悪玉菌が増える

また私たちがストレスを感じると、悪玉菌の1つであるウェルシュ菌が増え、ビフィズス菌や乳酸菌などの乳酸菌が減少することが確認されています。

他にもストレスを感じると、胃酸の分泌が鈍くなるので排便を促す「ぜん動運動」が低下して便秘が引き起こされます。

さらに、慢性的な便秘はビフィズス菌を減少させるので、腸内環境をさらに悪化させる悪循環に陥ってしまうのです。

免疫力は睡眠中に力を発揮する

免疫力は睡眠中に力を発揮する

睡眠時間が十分取れない人も多いと思いますが、免疫力が最も発揮されるのは睡眠中です。
そのため睡眠不足が続くと、体内は免疫力を十分に発揮できていないため、風邪などを引きやすく体調を崩してしまうのです。

また睡眠不足になると、自律神経が乱れていきます。
自律神経は、緊張や興奮など心身を活動的にさせる交感神経と、心身をリラックスさせる副交感神経の2つがあります。

このうち、副交感神経は免疫力を正常に保つ作用がありますが、睡眠不足によって交感神経が優位になると、便秘になりやすく腸内に悪玉菌が増えて、免疫力の低下につながるのです。

抗生物質や防腐剤で、腸内環境が悪化?

抗生物質や防腐剤で、腸内環境が悪化?

また薬の1つである抗生物質も注意が必要。
抗生物質は、菌やウイルスなどの増殖や働きを抑制する作用がありますが、腸内細菌にも影響を及ぼす危険性があります。

悪玉菌と善玉菌のどちらの働きも抑えたり、死滅させたりする恐れがあるので、抗生物質の服用には注意しましょう。

抗生物質のほかには、人工甘味料や防腐剤などの添加物も腸内細菌に影響を与えると考えられています。

しかし、人工甘味料や防腐剤などの添加物はADI(1日許容摂取量)といって、毎日摂取しても健康に害を与えない基準値が国際的に定められています。

そのうえ、私たちは添加物だけを摂取することがないので、本当に添加物が腸内環境に影響を与えているかを断定することはできません。

ただ、人工甘味料は脳卒中や認知症のリスクを高める恐れがあるなど、他の要素で体への影響に不安があるので、できる限り控える方が安心です。

このように、どの要因も腸内環境を悪くすることで免疫力を低下させているのです。

高齢になると、肉の摂取も必要

高齢になると、肉の摂取も必要

ちなみに、悪玉菌を増やす最大の原因は肉の過剰摂取ですが、動物性のタンパク質も体に重要な栄養素。
過剰摂取が問題なだけで、肉の摂取が悪いわけではありません。

特に高齢になると、栄養状態の指標となるアルブミンの数値が低下します。

アルブミンは肉や魚などのタンパク質から作られるのですが、アルブミン数値が低すぎると免疫力が落ちてしまうのです。

アルブミンの基準値は、3.8~5.3g/dL。
この数値より低い人は、積極的に肉や魚を食べるようにしましょう。

うんちで腸内環境を確認!

うんちで腸内環境を確認!

ちなみに自分の腸内環境は、排泄物の状態で確認できます。

排便時に力まないでスッと排泄ができたり、便の色が黄色よりであれば、腸内環境は善玉菌が優位な状態です。

一方、力んでも排泄物がなかなか出てこなかったり、便は硬く少量で黒褐色の状態であれば、悪玉菌が優位の恐れがあります。
また、柔らかすぎるのも悪玉菌が優位な状態です。

排泄物で腸内環境がどのような状態かチェックし、腸内を整える食事を心掛けていきましょう。

まとめ

免疫力は、加齢やストレスなど色んな影響によって低下しますが、根本的な原因は腸内環境が悪化することで引き起こされます。

ですから腸内環境を整えれば、歳を重ねても免疫力の低下は抑えることができるのです。

ヨーグルトや納豆、味噌など、さまざまな発酵食品やオリゴ糖・食物繊維が豊富な食品を積極的に摂取していきましょう。

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