現代人のコレステロール値は異常!?今すぐ気をつけたいコト
『コレステロール=動脈硬化の原因』
コレステロールは血中での値が高いと、ドロドロの血液になって動脈硬化を引き起こす危険な存在。
メタボの人はその危険性が高いと、注意を呼びかけられていますね。
じつは、メタボでない人も関係なくありません!
厚生労働省の調査では、30才以上の3分の1はコレステロールが正常値でないといわれています。
今や、誰もがコレステロールを無視できないという状況なんです。
では、どうやったらコレステロール値は正常になるのか?
改善すべきポイントは食生活にあり!
それも少し意識するだけで、大きな変化が出るみたいです!
コレステロールの善と悪
危険な存在のコレステロール…
体から消えろー!と思いますが、じつは重要な役割を持っています。
コレステロールは、私たちの体の細胞を守る細胞膜や、消化吸収を助ける胆汁酸、ストレスに対応する副腎皮質ホルモンなど、私たちの体に欠かせないものをつくっているのです。
コレステロールは、肝臓から体内へコレステロールを運ぶ悪玉コレステロール(LDL)と体内で余ったコレステロールを回収して肝臓に戻す善玉コレステロール(HDL)の大きくわけて2つの種類があり、血液に溶け込んで移動しています。
悪玉コレステロールが多くなると、コレステロールがどんどん体内へ運ばれていきます。
必要以上のコレステロールは血中に溜まり、動脈硬化の原因となるのです。
そのことから、悪玉コレステロールという悪い呼び名がつけられました。
また、善玉コレステロールが少ないと、血管が弱くなり免疫力が低下、脳出血やガンの発生率が高まります。
善玉・悪玉という名前なので、悪玉コレステロールはいらないんじゃないかと思ってしまいますが、悪玉コレステロールも決して不要なものではないんです。
悪玉コレステロールは、体内に必要なコレステロールを届けてくれる大切な役割があります。
どっちかだけじゃなく、善玉と悪玉のバランスが大切なんですね。
正常値でも危ない!善玉と悪玉の黄金バランス
善玉と悪玉のバランスはどうすれば分かるのか。
コレステロールには診断基準の数値があります。
(悪玉コレステロール値)140mg/dl以上
(善玉コレステロール値)40mg/dl未満
どちらかひとつでも、この数値から超えてしまうと、体への危険リスクが高くなると考えられています。
さらに重要とされているのが、善玉と悪玉の比率です。
じつは、動脈硬化で病院に運ばれてきた人の中に、コレステロール値が正常の人が多くいたのです。
しかし、その人たちは基準値の範囲内でも善玉コレステロールの数値が低い傾向にありました。
それがきっかけで、善玉と悪玉のバランス比が注目されるようになったのです。
病院で『悪玉値÷善玉値=バランス比』の調査がされ、この値が1.5以下だと良好な血管状態の目安となりました。
また、2.0までは許容範囲とされましたが、それは健康な人だけのこと。
糖尿病や高血圧などの人は、1.5以上は動脈硬化へのリスクが高まります。
さらに2.5以上になると、血栓ができている可能性が高く、心筋梗塞などを引き起こす恐れがあるのです。
これは、コレステロールの基準値を超えている場合にも当てはまります。
悪玉の数値が基準値以上でも、善玉も同じく数値が上がり、バランス比が1.5以下であれば問題ないということが新たにわかったのです。
コレステロールを増やす原因
善玉と悪玉のバランスを整えるためには、まずはコレステロールを増やさないことが大切!
卵は1日1個、イカやタコなどコレステロールが高いといわれる食品は多く摂らないように、食事に気をつけることが重要とされていました。
しかし、コレステロールが食事から摂られる量はわずかなもの。
体内でつくられるコレステロールは全体の8割になり、食事で摂るよりもずっと多かったのです。
それよりも、食事で気をつけたい最大のポイントがありました。
それは『食べ過ぎ』
どんな食品でも食べ過ぎはコレステロールを増やしてしまうのです。
増えたコレステロールは、悪玉コレステロールによって体内にどんどん運ばれ、同時に消費しきれないエネルギーは脂肪となって蓄積されます。
このとき、脂肪と善玉コレステロールはシーソーに乗っているような関係です。
脂肪が増えていくと、善玉コレステロールは減ってしまうのです。
善玉コレステロールが減ると、コレステロールを肝臓へ戻す働きが弱まります。
悪玉コレステロールによって運ばれたコレステロールは血中に溜まっていき、動脈硬化を引き起こしてしまうのです。
それだけでなく、善玉コレステロールが減ると細胞膜や血管が弱まり、脳出血やガンの発症率が高くなる、負の連鎖へとつながっていきます。
『腹八分目に医者要らず』とのことわざもあるように、昔から食事は適度な量が良いとされていたのですね。
食品でコレステロールをコントロール
食べ過ぎがコレステロールを増やす最も大きな原因でした。
腹八分目を意識することにプラス、食品でコレステロールをコントロールしちゃえば、さらに効果が期待できます!
食品の中には、コレステロールを増やすものと減らすものがあるんです。
▼コレステロールを増やす食品
牛脂やラード、バターなどの動物性脂肪
コレステロールを増やす飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪が多く含まれています。
他にチーズやバターを使った洋菓子、チョコレート・ポテトチップス・インスタントラーメンなども飽和脂肪酸を多く含んでいます。
▼コレステロールを減らす食品
サバやイワシなどのDHAやIPAといった脂肪
不飽和脂肪酸といい、同じ脂肪でもコレステロールを減らす作用があります。
また、オリーブオイルや亜麻仁油などの植物油にも、この不飽和脂肪酸が含まれています。
野菜や果物、キノコ、海藻、豆など食物繊維の多い食品は、コレステロールを一緒に排泄してくれる働きがあります。
まとめ
動物性脂肪の摂取を少なく、魚や食物繊維のある食品を選び、食べ過ぎに注意する。
これがコレステロールを正常値に導く秘訣でしたね。
現代の食生活は魚の摂取量が少なく、肉を中心とした洋風の食事が主流となっています。
和食を中心とした食事で体内のコレステロールを増やし過ぎないように心掛けていきたいものです。
危険なイメージだったコレステロールは、私たちの体に欠かせないものでした。
脂肪酸の中でもコレステロールを増やすものと減らすものがあり、いろんな作用があるようです。
次ページではそんな脂肪酸の種類について、見ていきましょう。