アーユルヴェーダに学ぶ!食だけでなく薬にも使える油・ギー

アーユルヴェーダに学ぶ!食だけでなく薬にも使える油・ギー

オリーブオイルやココナッツオイルなど、じつに多くの種類がある食用油。
その中でも最高の油といわれる、ギーという油を知っていますか?

インドの伝統医学アーユルヴェーダで最高の油とされるギーは、バターから水分やタンパク質などの不純物を取り除いた油のこと。
不純物が排除された純粋な油のため、食用としてだけでなく、薬としても利用されています。

そんなギーの効果は、便秘や火傷、不眠などの体内調整、またダイエットにも効果があるというのです。
最高の油と評され、さまざまな効果が期待できると聞けば、試さずにはいられませんね。
では、最高の油・ギーについて、詳しく見ていきましょう。

食べても塗っても使える、ギーって何?

まず、ギーを最高の油として扱うアーユルヴェーダは、古代インドで発祥したインド・スリランカの伝統医学のこと。
サンスクリット語で生命科学という意味があり、体だけでなく心の状態にも重点を置いています。

そのため、病気を発症してから治療する西洋医学とはちがい、病気になる前から食事療法やヨガ・瞑想などを取り入れることで、心身ともに健康な状態を保つ予防医学でもあります。

そんなアーユルヴェーダで、最も優れた油として扱われているのが、ギー。
ウシやヤギの乳を発酵させてバター状にしたものを加熱し、水分やタンパク質、乳糖などの不純物を取り除いた、純粋な油です。

不純物が取り除かれたギーは、酸化しにくく、気温の高いインドでも常温で長期保存が可能です。
良質なギーは永遠に持つとされ、インドには100年もののギーがあるといわれています。

食用としてはもちろん、薬のように使用できるギーは、アーユルヴェーダでは活力や知力、消化力を高めると考えられています。
では、まずはギーを摂取すると、どんな効果があるのか見ていきましょう。

いつもの食事にギーを加えて、体内環境を整える!

まず、ギーのもととなるバターは、加熱すると焦げやすい特徴があります。
しかし、あの焦げやすさの正体はタンパク質なので、タンパク質が取り除かれたギーは焦げつきにくく、加熱調理に使いやすい油です。

また、バターのような風味やコクはそのまま残っているため、炒め物やスープ、ご飯など、どんな食材とも相性抜群。
バターよりも胃もたれしにくく、普段の料理にも取り入れやすいです。

さらに、ギーは料理をおいしくするだけではありません。
ギーには、抗酸化力のあるビタミンA・Eが含まれており、体を老化させる活性酸素を消去する作用があります。

また、ギーに含まれる共役リノール酸や酪酸といった成分は、脂肪を分解する酵素を活性化する働きがあり、体内脂肪を減らすダイエット効果が期待できます。
他にも、ホットミルクにスプーン1杯のギーを入れて飲むと、便秘や不眠改善にも効果的です。

体の炎症や疲労を和らげる、ギーの鎮静効果

次は、ギーを薬のように使用する方法をご紹介します。
ギーには解毒や鎮静作用があり、体の炎症や疲労を緩和する効果があります。

例えば、赤くなる位の軽症の火傷(肌が赤くなる程度)であれば、患部にギーを塗るだけで炎症は鎮静化。
神経をリラックスさせる効果もあるので、手のひらで温めたギーをおでこに塗れば、気持ちが安定して、ぐっすり眠ることができます。

アーユルヴェーダでも、眼精疲労やドライアイの緩和に、ギーで目を洗う『ネトラバスティ(ネートラタルパナ)』という方法があります。

自分で目の中にギーを入れるのは感染の危険があるので避けたいですが、ギーをまぶたに塗るだけでも目の疲れは軽減されるので、ぜひ試してみてください。
また、ギーで肌をマッサージすると、シワが薄くなるともいわれています。

このように、食べても塗っても体に良い効果があるギー。
しかし、日本ではあまり見かけませんよね。

でも、大丈夫!
じつは、ギーはお家で簡単に作ることができます。

お家でギーを作ってみよう!

日本では、あまり見かけないギー。
じつは、市販されているギーの中には、ウシやヤギの乳を原料とせず、植物性油脂でつくられた偽物のギーもあるというのです。
そうなれば、ギーは自分で作るのが、一番手っ取り早くて安全です。

最高の油と評されるギーですが、意外にも作り方は簡単。
まず、用意するものは下記の5つです。

【用意するもの】
・無塩バター 150~500g(量に決まりはありませんが、少なすぎると焦げやすいです)
・片手鍋
・お玉
・クッキングペーパー
・ガラス瓶

1:無塩バターを鍋に入れて、中~弱火で溶かす
2:バターが溶けたら弱火にして、混ぜずにそのまま加熱
3:白い泡が出てきたら、上澄みだけすくって取る(泡が出てくると焦げやすいので注意!)
4:泡が少なくなり、全体が透明な金色になったら、クッキングペーパーで漉す
5:ギーが冷めてから、ガラス瓶のフタを閉じる

保存は冷蔵庫でも、常温の冷暗所でも、どちらでもOK。
3ヶ月位で使いきるようにしましょう。

まとめ

おいしくて体にも良いギー。
料理のアクセントとして摂取したり、体に塗ったりと、色んな方法で試したいですね。

また、アーユルヴェーダが大切にする、心身ともに健康であることは、私たちも心掛けていきたいもの。
ギーをきっかけに、今の食生活を見直してみましょう。

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