動脈硬化は内臓肥満が引き金!太る油とやせる油で肥満を防ぐ

動脈硬化は内臓肥満が引き金!太る油とやせる油で肥満を防ぐ

運動不足や年齢が進むにつれて、自分の体型が気になってきていませんか?
今や見た目の美しさだけでなく、メタボ対策といった健康面から肥満を気にする人も少なくありません。

肥満対策のポイントは、運動量や食事内容といった生活習慣の見直し。
食事内容では、油はカロリーが高く避けられがちです。
しかし、油には脂肪を燃やす油があるって知っていますか?

油の特徴を知れば、上手に肥満を予防できます。
どの油が太り、どの油がやせるのか、早速チェックしていきましょう。

病気を招く内臓脂肪型肥満

まず肥満には、皮下脂肪型と内臓脂肪型の2タイプあります。
皮膚の下に脂肪が溜まる皮下脂肪型は、ぷよぷよとたるんだ手でつまめるタイプ。

消費される順番が最後なので、他にエネルギー源があればずっと体内に蓄積される、取れにくい脂肪です。

一方、内臓の周りに脂肪がつく内臓脂肪型は、食べ過ぎて余ったエネルギーが一時的に蓄えられている状態。
皮下脂肪型とちがい、お腹がパンッと張ってつまむことができません。

代謝は良く消費されやすいのですが、溜まりやすいのが難点。
また、脂肪細胞が段々と大きくなる特徴があります。

通常、脂肪細胞はアディポネクチンという、生体防御ホルモンを分泌します。
アディポネクチンは血管の傷の修復や血流を促進することで、動脈硬化や高血圧を予防。
さらに、血中のインスリン濃度を調整し、糖尿病の発症を防ぎます。

ところが脂肪細胞が大きくなると、アディポネクチンの分泌量は減少傾向に。
アディポネクチンが保っていた血液環境は乱れ、予防していた動脈硬化や高血圧、糖尿病を発症しやすい状態へと変わるのです。

メタボリックシンドロームの判断基準は高血圧・高血糖・脂質異常症のうち、2つ以上が当てはまること。

内臓脂肪型肥満は脂肪細胞の肥大化により、この3つの病気を引き起こしやすいため、メタボリックシンドロームの必須条件となっています。

メタボの怖さは、動脈硬化を引き起こす危険性が高いこと。
脳や心臓で動脈硬化が起これば、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気につながります。
そのため、根本的な原因である肥満を防ぐことは、自分の命を守る大切なことなのです。

体に溜まりやすい脂肪

肥満の予防方法は食事制限や運動量を増やすこと。
食品の中で最もカロリーが高い油を上手に摂取することは、肥満予防の大きなポイントになります。

それは油の種類によって、太る油とやせる油といった全く逆の作用になるからです。

では、まずは太る油からチェックしていきましょう。
体に溜まりやすく太る油は2種類、トランス脂肪酸と飽和脂肪酸です。

ひとつ目のトランス脂肪酸は、自然界に存在しない人工的に作り出された油です。
マーガリンやショートニングに多く含まれていて、サラダ油やマヨネーズなど食用精製加工油脂と表示がある食品に含まれています。

このトランス脂肪酸は、動脈硬化の引き金となる内臓脂肪に蓄積する危険な脂肪酸。
動脈硬化以外に、認知症やガンなどの発症も高める恐れがあります。

アメリカでは含有量に規制があり、2018年6月以降は使用禁止になるほど、トランス脂肪酸の有害性は世界的に危険視されています。

しかし、日本では摂取量や使用に規制はなく、現状は注意を呼びかけるだけ。
トランス脂肪酸を避けるには自分で意識するしかありません。

内臓脂肪を増やさないだけでなく、さまざまな病気を誘発するトランス脂肪酸の摂取はできる限り控えるようにしましょう。

そして、ふたつ目の体に溜まりやすく太る油は、飽和脂肪酸です。
牛や豚などの動物性脂肪に多く含まれています。

飽和脂肪酸は内臓脂肪・皮下脂肪のどちらにも溜まりやすいため、肉料理の食べ過ぎは肥満を加速させます。

また、ラードや牛脂は常温では固体。油が溶け出す温度が高い特徴があります。
そのため、動物よりも体温が低い人間の体内では固まりやすく、血流が悪くなりやすいのです。

トランス脂肪酸と同じく、飽和脂肪酸の摂り過ぎも動脈硬化を引き起こす恐れがあります。

体に溜まりにくい脂肪

そもそも油は種類がちがっても、カロリーはどれも同じ1g約9キロカロリーです。
では今度は逆の作用がある、体に溜まりにくいやせる油を見ていきましょう。
やせる油も種類は2つ、中鎖脂肪酸とオメガ3系脂肪酸です。

まずは体に脂肪がつきにくいと話題になった、ココナッツオイルに多く含まれる中鎖脂肪酸。
中鎖脂肪酸は体内に入るとすぐに消費されるため、蓄積の心配がありません。
さらに周りにある脂肪も一緒に燃焼させて、体内の脂肪を減らす作用があります。

もうひとつは、亜麻仁油やえごま油で注目されるようになったオメガ3系脂肪酸です。
オメガ3系脂肪酸にはα-リノレン酸・EPA・DHAの3つの脂肪酸があります。

このうち、亜麻仁油やえごま油に含有量が多いのは、α-リノレン酸。
残りのEPAやDHAは、青背の魚の油に多く含まれています。

この3つの脂肪酸はペルオキシソームという脂肪を分解させる場所に働きかけて、脂肪燃焼を活性化させることで脂肪の蓄積を防ぐのです。

まとめ

肥満には病気を引き起こしやすい、恐ろしい肥満のタイプがありましたね。
外見の印象だけでなく、健康を保つためにも肥満予防していきたいものです。

油における肥満対策は…
・牛や豚などの動物性脂肪の食事は週に数回にする
・亜麻仁油やえごま油、魚、ココナッツオイルを積極的に摂る
・有害なトランス脂肪酸はできる限り摂取しない

この3つを意識しながら、適度な運動と食事で上手に肥満を予防していきましょう。

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