妊活にはオメガ3!男女ともに摂るオメガ3が不妊を改善する
これからママやパパになりたいと考えている人は、自分が摂っている油に注意してください。
その理由は、精巣ホルモンや卵巣ホルモンは、油でつくられているからです。
油は精子や卵子の働きを弱めるもの、また不妊の原因となる子宮内膜症を予防するものなど、妊娠に大きく関係しています。
そのため、大切な赤ちゃんを授かるためには、性ホルモンに必要な油と避けたい油を知ることが大切。
では、女性だけでなく男性にも気をつけてほしい、妊活中の油の摂取について学んでいきましょう。
トランス脂肪酸は、卵子や精子を弱らせる
まず妊娠を希望する人たちに最も避けてほしい油は、マーガリンや加工食品に含まれているトランス脂肪酸です。
トランス脂肪酸は、液体の植物油を固形にするときに発生する副産物。
固形になった植物油は冷めてもベタつきにくく、バターの代用をはじめ多くの加工食品に使用されています。
しかしトランス脂肪酸は、すでに人体に害があると認められている有害物質です。
全身にある細胞膜を傷つけて、心臓病やがんなどさまざまな病気を引き起こす危険性があります。
その危険性は、男性であれば精子、女性であれば卵巣や子宮にも及びます。
まず男性はトランス脂肪酸の摂取が多いほど、精子の数が減少。
そして女性は卵巣機能が低下するために、排卵や受精卵の成長障害、また子宮内膜症を発症しやすくなることが分かっています。
こういった症状はすべて不妊の原因です。
女性は30代後半から妊娠しにくくなると言われていますが、不妊の原因は女性だけでなく男性の食生活も大きく関係しています。
そのためトランス脂肪酸を含んだ食品は、極力控えるべきなのです。
加工食品のパッケージ裏に、『食用加工油脂』または『食用精製加工油脂』などの表示があれば、それはトランス脂肪酸のこと。
そもそも人体に害がある危険な油なので、妊娠を希望する人だけでなく、誰もが避けたい油です。
子宮内膜症を予防する、オメガ3
避けたい油のつぎは、積極的に摂りたい油です。
現代の私たちは、亜麻仁油やえごま油、魚油に多く含まれているオメガ3の油が不足しているといわれています。
じつはこのオメガ3の油は、不妊を改善する油でもあります。
まずは、不妊の原因となる女性の子宮内膜症への効果を見ていきましょう。
子宮内膜症は、月経のある女性の10人に1人がかかっているといわれるほど、発症の多い病気です。
原因のひとつとして考えられているのは、月経血が逆流して、卵管や卵巣などに子宮内膜が付着してしまい、炎症を起こすこと。
炎症が悪化すると、ひどい生理痛や大量の月経血、腰痛や不妊症などを引き起こします。
しかしオメガ3を摂取すれば、子宮内膜症の炎症を抑え、さらには予防することができるのです。
その理由はオメガ3が持つ優れた抗炎症作用。
オメガ3の抗炎症作用によって、卵管や卵巣での炎症が抑制されることで子宮内膜症を緩和・予防し、ひどい生理痛も改善されます。
また、先ほど避けたい油で説明したトランス脂肪酸は、摂取量が多くなるほど子宮内膜症にかかりやすくなることが分かっています。
そのため、トランス脂肪酸を減らしてオメガ3の油を摂取することが、子宮内膜症や不妊症の予防につながります。
オメガ3は、健康な精子を増やす
オメガ3の不妊症改善の効果は、女性だけではありません。
オメガ3は男性が摂取すると、正常形態の精子を増やす効果があります。
じつは男性にある精子の形はどれも同じではなく、大きさや先端の二分化などさまざまな形の精子が存在します。
しかし妊娠しやすいのは正常形態の精子のため、奇形精子の数が多いほど妊娠しにくくなるのです。
奇形精子はストレスや食生活、染色体異常などさまざまなことが原因とされていますが、明確な原因は分かっていません。
しかし、オメガ3の摂取量が多いほど、正常形態の精子が増えることが分かっています。
これは、細胞に栄養を取り込みやすくするオメガ3の働きによって、精子細胞に十分な栄養が取り込まれるために、正常形態の精子が増えるのではと考えられています。
ちなみに女性が発症する子宮内膜症とはちがい、男性の奇形精子に自覚症状はほとんどありません。
また、健康体であっても奇形精子は存在します。
実際、健康な男性60人(平均年齢21才)の精子を調べたところ、58人に奇形精子が見つかったという日本の研究データもあります。
そのため自分には関係ないと思わず、男性もパートナーと一緒にオメガ3を摂るようにしましょう。
まとめ
男性はトランス脂肪酸だけでなく、動物性脂肪の摂り過ぎでも精子の数が減少する恐れがあります。
そのため、肉の摂り過ぎにも注意が必要です。
また男女ともに摂取したいオメガ3は、亜麻仁油・えごま油・青背の魚などに含まれています。
しかしオメガ3も摂り過ぎはいけません。
オメガ3の過剰摂取は、下痢や出血が止まりにくいなどの作用があります。
そのため、亜麻仁油やえごま油などは1日小さじ1杯強、魚は1日1食や1日置きくらいのペースで摂るようにしましょう。
そして、トランス脂肪酸やオメガ3の影響は妊活中だけでなく、赤ちゃんや産後のお母さんにも大きく関わっています。
妊娠中から産後までの影響については、下記の記事で詳しく説明していますので、こちらも参考にしてくださいね。
妊娠中に摂るオメガ3が、赤ちゃんの脳とママの体を守る!