酸化した油はやっぱり危険!家で使用する時も必ず守りたい注意点とは

酸化した油が体に悪いことは、何となく知っている人も多いはず。
そのため、揚げ物調理で残った油も使い回さず、いつも新しい油を使うように気を付けている人もいると思います。
しかし油の酸化で最も注意が必要なのは、使用回数ではありません。
じつは油は種類によって、熱に弱いタイプと熱に強いタイプがあります。
そのため、加熱には熱に強いタイプの油を使わなければ意味がないのです。
なお、家庭で人気のサラダ油も、種類によっては熱に弱いものがあります。
私たちは知らずに、サラダ油をはじめ熱に弱い油を加熱して使っているのです。
では、熱に弱い油を加熱した際の危険性や、どの油が熱に弱く、また熱に強いのか、油の酸化について学んでいきましょう。
油の酸化とは?
そもそも油の酸化とは、光や熱、酸素などによって油が劣化すること。
油は酸化すると、変色や異臭、油に含まれる栄養素の減少など、風味や品質が低下します。
また、酸化した油は体に悪影響を及ぼします。
酸化した油を摂取すると、活性酸素や過酸化脂質という有害物質が体内に増えることによって、細胞も酸化し傷ついてしまうのです。
酸化して傷ついた細胞は、正常に機能できなくなります。
やがて、その影響は細胞のある臓器にまで広がり、老化や病気を引き起こすと考えられているのです。
よく老化や病気の原因は体のサビといいますが、これは細胞が酸化することで起こります。
その細胞をサビ(酸化)させる原因の1つが、酸化した油なのです。
ですから、老化や病気を予防するためにも、酸化した油を摂取してはいけないのです。
では、油の酸化をどうやって防げばいいのか、油が酸化する原因について見ていきましょう。
先に、酸化が防止された安全な油をチェックしたい方は、下記のボタンから確認できます。
油が酸化する3つの原因
油を酸化させる主な原因は、3つあります。
それは熱・光・酸素です。
では、1つずつチェックしていきましょう。
熱による酸化

油は高温で加熱を繰り返すと、色が濃くなったり煙が立ったり、泡立ちが目立つようになります。
これらはすべて熱によって酸化が進んでいるサイン。
熱による酸化を防ぐには、油がこのような状態にならないように注意しなければいけません。
そこで大事なポイントとなるのが、油の種類です。
はじめにもお伝えしましたが、油は種類によって熱に強いものと弱いものがあります。
なお、油の種類によって熱への耐性に差がある理由は、脂肪酸と呼ばれる油の成分が関係しています。
なぜなら脂肪酸には、熱に弱い脂肪酸(オメガ6・オメガ3)と、熱に強い脂肪酸(オメガ9・飽和脂肪酸)があるからです。
脂肪酸 | 加熱 | 主な油 | 摂取状況 |
---|---|---|---|
オメガ6 | × | サラダ油 大豆油 | 過剰 |
オメガ3 | × | 亜麻仁油 えごま油 魚の油 | 不足 |
オメガ9 | ◯ | オリーブオイル 菜種油 | 普通 |
飽和 脂肪酸 | ◯ | ラード バター 肉の脂 | 過剰ぎみ |
まず熱に弱い脂肪酸は、サラダ油や大豆油に多いオメガ6(リノール酸など)と、魚の油や亜麻仁油に豊富なオメガ3(DHA・EPA・α-リノレン酸)。
この2つの脂肪酸は熱に弱いため、加熱してはいけません。
中でも注意したいのは、サラダ油です。
家庭でもよく使用されるサラダ油は、揚げ物や炒め物など、加熱調理に多く用いられます。
そもそもサラダ油とは、JAS規格に基づいて作られる油の総称であり、特定の油があるわけではありません。
そのため原料も菜種や大豆、トウモロコシ、紅花、綿実など、さまざまな植物が使用されています。
また菜種や大豆など1つの作物を原料とする場合もあれば、2種類以上の油をブレンドした調合サラダ油もあります。
その結果、サラダ油の中でも熱に強いタイプと熱に弱いタイプがあるのです。
なお、熱に弱いサラダ油は大豆、トウモロコシ、綿実の3つを原料とする油です。
大豆油やトウモロコシ油、綿実油は熱に弱いオメガ6が多く含まれているため、加熱には向いていません。
(※サラダ油の危険性は他にもあります。詳しくはサラダ油の危険性の記事をご覧ください)
では、サラダ油の代わりに加熱調理に使える油は何かというと、バターやラード、オリーブオイルです。
バターやラードなどの動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸と、オリーブオイルに豊富なオレイン酸は、熱に強い油の成分です。
この2つの油の成分(脂肪酸)は抗酸化力があるため、加熱しても酸化しにくく、加熱調理にも使えます。
ただ、現代人は肉の摂取量が年々増加しているため、動物性の油をこれ以上摂りすぎるのは、動脈硬化のリスクを高めるなど、健康面に悪影響を及ぼす危険性があるのでオススメできません。
一方、オリーブオイルは悪玉コレステロールの減少作用や抗酸化力のあるポリフェノールが豊富な点など体に良い作用が多く、毎日使用しても問題ありません。
ですから、加熱調理には酸化しにくいオリーブオイルを使用するようにしましょう。
光による酸化

意外かもしれませんが、油が酸化する最大の原因は光だと考えられています。
そのため油を保管する際は、できるだけ光を当てないように注意しなければいけません。
また家庭だけでなく、店頭に陳列されているときも光による酸化の心配があります。
ですから光による酸化を防ぐには、黒や緑など色のついた遮光瓶や缶、箱入りタイプの油を選びましょう。
今使用している油が透明の容器や、箱の出し入れが面倒な場合は、アルミを巻けば光を遮ることができます。
酸素による酸化

油は空気(酸素)に触れることでも酸化します。
そのため、油は小さい容器を選びましょう。
容器が大きいと使い終わるまでの期間が長く、容器内の酸素によって油はどんどん酸化します。
小さな容器のものを短期間で使いきるようにすれば、保存時に油が空気に触れる時間を短くできます。
なお、亜麻仁油やえごま油などのオメガ3が豊富な油は、使用時も注意が必要です。
亜麻仁油やえごま油は、現代人に不足しているオメガ3が豊富だと注目されている油ですが、オメガ3は熱に弱く酸化しやすい性質があります。
そのため火を通さずそのまま摂取するのですが、サラダなどにかける場合は食べる直前にかけること。
あらかじめドレッシングに混ぜたり、サラダにかけたまま置いておくと、空気に触れることで酸化が進んでしまいます。
このように、油は些細なことで酸化して傷んでしまうため、注意が必要です。
とはいえ同じ油を繰り返し使っても、今まで何も問題なかったという人も多いはず。
では、酸化した油が体に及ぼす危険性について見ていきましょう。
酸化した油は、病気や老化のリスクとなる
酸化した油の影響は、すぐに症状として出るわけではありません。
人によっては下痢や吐き気を起こす場合もありますが、酸化した油の危険性はもっと重大なことがあります。
それは活性酸素と過酸化脂質を体内に増やし、細胞を傷つけることです。
なお、活性酸素は体を酸化(サビ)させる原因として、聞いたことがある人も多いはず。
はじめにお話しましたが、酸化して傷ついた細胞は正常に機能できなくなります。
そのため細胞のある臓器全体にも悪い影響が広がることで、病気や老化が引き起こされるのです。
また活性酸素よりも注意が必要なのが、過酸化脂質。
熱による酸化のところで、酸化しやすい油の成分(脂肪酸)はサラダ油に多いオメガ6と、魚の油に多いオメガ3とお伝えしましたが、このオメガ6又はオメガ3と活性酸素が結びついてできたものが過酸化脂質です。
オメガ6とオメガ3は細胞を包む細胞膜に多く含まれています。
そのため細胞膜にあるオメガ6やオメガ3が活性酸素と結びついて過酸化脂質に変わると、脂肪膜から細胞の内部へ侵入して、細胞を内側から傷つけていきます。
じつは活性酸素による細胞の損傷は表面的なため、自己免疫力で修復できる場合が多く、大きな病気や老化にはあまりつながりません。
しかし、過酸化脂質は細胞の内側を破壊していくため、修復が追いつかなくなるのです。
そのため体への影響力は、活性酸素の攻撃よりも大きくなります。
その結果、過酸化脂質が増えた場所によって動脈硬化やがん、肌の炎症などの病気や老化が引き起こされる危険性が高まるのです。
なお、過酸化脂質はじわじわ時間をかけて細胞を傷つけていくため、その影響はすぐに体には現れません。
症状がないからと、安心はできないのです。
家庭で使う量なら、油の酸化は心配ない?

一方で、油の酸化は気にしなくていいという意見もあります。
そのきっかけとなったのは、NHKで放送された「ためしてガッテン」という番組です。
番組内では、新品の食用油に光を当て、油の酸化を検証する実験がおこなわれました。
その結果、油は酸化するものの体に害を与えるほどではないと、結論づけられたのです。
たしかに食品メーカーや飲食店と比べると、家庭で使用する油の量はわずかです。
そのため酸化した油を少しくらい摂取しても、体に害はないかもしれません。
ただ先ほどお話した過酸化脂質は、すぐ体に影響を与えるものではなく、体内にじわじわ溜まってから細胞を傷つけます。
そのため数日間の検証では、体への影響は確かめられないのです。
おまけに、家庭での使用が多いサラダ油をはじめ、植物油は過酸化脂質に変化するオメガ6が多く含まれています。
私たちはオメガ6の多い油を加熱調理に使用していることが多く、その結果、過酸化脂質を毎日のように摂取しているのです。
実験結果は体に害を与える程ではないということでしたが、微量でも毎日摂り続ければ、過酸化脂質はどんどん体内に溜まっていきます。
今は問題なくても、この先の影響は確認されていません。
摂り続けた先の影響を考えるなら、やはり酸化した油は摂取すべきではないのです。
まとめ
酸化した油は、私たちの細胞を傷つける危険なものです。
油の酸化を防ぐポイントはどれも些細なことですが、体への影響は大きな差となるかもしれません。
毎日使う油だからこそ、できる限り安全なものを摂取していきたいですね。
そこで、酸化の心配がない体に安全な油を3点ご紹介します。
まず加熱向きの油として紹介したオリーブオイルの中でも、特に私がおすすめするのは『オリーブハートのオリーブオイル』です。
特徴は、オリーブの実を収穫してから10時間以内にコールドプレス製法で搾油することで可能になった酸度の低さ。
オリーブハートの酸度は0.5%以下で、国際オリーブオイル協会(IOOC)が定める酸度0.8%の基準をはるかに下回っています。
またオリーブハートは、日本人の舌に合うようにブレンドされた4種類のオリーブオイルが四季ごとに味わえるのも魅力。
苦味を控えめに調合されているので、和食料理やオリーブオイルの独特な風味が苦手な方にもおすすめです。
さらにオリーブハートのオリーブオイルは、EUの食品安全機関「エフサ」の『心臓病や血管の老化を防ぐ効果のあるオリーブオイル』の基準を満たしたヘルシーなオイル。
毎日の料理にも安心して使用できますね。
四季ごとに楽しめるオリーブハートのオリーブオイルを、ぜひご家庭でも味わってください。
次におすすめする『ピュアフィールドのボタニカルオイルミックス』は、油だけでなく体内の酸化防止にも働きかける健康オイル。
その理由は原料にオリーブオイルとアボカドオイル、さらに天然由来のビタミンEが配合されているから。
オリーブオイルとアボカドオイルに豊富なオレイン酸やビタミンEは、強力な抗酸化作用があります。
そのため、油や体内の脂質を酸化させる活性酸素の働きを抑えて、老化や病気の予防に働きかけるのです。
さらに、亜麻仁油とえごま油もブレンドされているので、私たちに不足したオメガ3の補給も可能。
1袋で1日に必要なオメガ3の約85%と、ビタミンEは100%摂取できます。
また、不足したオメガ3だけを簡単に補うなら、『RITAN(リタン)プレミアムオイル』がおすすめ。
原料はオメガ3の豊富な亜麻仁油とサチャインチオイルだけなので、不足したオメガ3を集中的に補うことができます。
なお、オメガ3は油の中でも特に酸化しやすい性質がありますが、1回使いきりの個包装なので酸化の心配なく、いつも新鮮なオメガ3を摂取できます。