食用油はガソリン漬け?食品とは思えない油の製造方法

食用油はガソリン漬け?食品とは思えない油の製造方法。透明の油ができるまで。

私たちが普段使っている菜種油やオリーブオイルなどの食用油。
あの濁りのない油になるまでに、どんな工程があるか知っていますか?

じつは、油の製造方法は藥品や高温加熱の繰り返し。
製造過程で狂った油と呼ばれる、トランス脂肪酸まで含まれてしまうのです。

食用とは思えない、油の製造方法を見てみましょう。

油の製造方法

油の製造方法は、圧搾と抽出の2パターンあります。

まず、圧搾は油を出しやすく種や果実を加熱し、圧力をかけて絞り出す方法。
菜種やオリーブなど油分が多いものに適し、原料に含まれる油分の約70%の油を絞り出すことができます。

しかし、一気に圧力をかけるため70℃~80℃の摩擦熱が生じ、原料の栄養素が破壊されてしまうマイナス面があります。

もうひとつは、溶剤を使って油を抽出する方法です。
大豆や米ぬかなど油分の少ない原料や、圧搾で絞りきれなかった残りの油を採る方法として使われます。

ヘキサンという溶剤に原料を混ぜあわせ油分を溶かし、ろ過して油を取り分けます。
これにより油分の99%を抽出することができる、効率性の高い方法です。

しかし、気になるのがヘキサンという溶剤。このヘキサンはガソリンに多く含まれている成分です。
食用油をガソリンのような藥品を使って抽出する、不自然な方法といえます。

精製で生じるトランス脂肪酸

2つの方法で絞り出された油は粗油と呼ばれ、不純物(酸化や泡立ちの原因物質、濁り、匂いなど)が混ざった状態です。

この粗油にリン酸や苛性ソーダ、活性白土などの化学製品を使い、濁りのない色味のきれいなサラサラの油に変えていきます。

幾度とない化学的な手を加え、最後の工程である脱臭では薬品の匂いを取るために200℃以上の高温加熱をおこなうのです。

この高温加熱が特に危険です。
植物油は200℃以上の高温で加熱するとトランス脂肪酸が発生してしまいます。

トランス脂肪酸とは、狂った油といわれる私たちの体に必要のない脂肪酸。
動脈硬化や認知症、ガンなど体に悪影響を及ぼす危険性があります。

アメリカやヨーロッパなどでは摂取規制がかかるほど、問題視されています。
クセのないきれいな油にする代償として、体に悪い物質を含んでしまっているのです。

油は低温圧搾を選ぶ

溶剤抽出の油は薬漬けされ、トランス脂肪酸が含まれる危険な油。
圧搾で作られた油も精製過程でトランス脂肪酸が発生している危険な油。
危険な油ばかりで悲しくなりますが、ひとつだけ安全な油があります。

それは『低温圧搾の油』です。

通常の圧搾とはちがい、種や果実を加熱せず、ゆっくり時間をかけて圧力をかけることで摩擦熱を60℃以上にしない方法が低温圧搾法(コールドプレス法)。
この方法であれば原料の栄養素を破壊せず、油を絞り出すことができます。

また、トランス脂肪酸が発生する精製工程ですが、そもそも大量生産で作られる油の精製目的は溶剤成分を取り除くことです。
そして、見た目やどんな料理にも使いやすいように、色や風味などのクセを抑える目的で精製をおこないます。

低温圧搾で油を作る人たちの多くは、昔ながらの製法で化学的なものは使いません。
色や風味は採れた状態のまま、精製は和紙を使用するなど、素材そのものを大切にしています。

そのため、油が化学製品に交じることなく、トランス脂肪酸も発生しない、安全な油が作られているのです。

まとめ

大手メーカーは見た目やクセのないきれいな油を効率よく大量に作り、低価格で私たちに提供しています。
しかし、食用油としての安全性を全く無視した作り方をしているのです。

一方、低温圧搾はゆっくり時間をかけて作るため、大量生産はできません。
そのため、どうしても価格が高くなってしまい、店頭に並ぶ数も少ないのが現状です。

危険性の含まれた油を毎日食べるか、少し高くても安全な油を毎日食べるか、自分や家族の体のことを思うなら、答えは自然と出ますね。

油に製造方法の表示はほとんどありませんが、低温圧搾の油は必ずそのことが表示されています。
油を購入するときは、ぜひ製造方法もチェックしてくださいね。

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