人工甘味料は糖尿病や肥満に効果なし?砂糖より太るゼロカロリー食品
ダイエット中でもカロリーを気にせず食べられる、ゼロカロリーのお菓子やジュース。
ゼロカロリー食品に使用される人工甘味料は血糖値を上げないため、糖尿病や肥満気味の人も安心して食べられると、お菓子や飲み物を中心にさまざまな商品が販売されています。
しかし、一方で人工甘味料を使用したゼロカロリー食品は、砂糖を使用した従来の食品と比べて、太りやすいとも言われています。
そのためゼロカロリー食品を食べると、かえって肥満や糖尿病のリスクが高まるというのです。
そこで、人工甘味料の危険性や体への影響について調べてみました。
カロリーゼロと、カロリーオフはちがう?
人工甘味料を使用した食品には、カロリーゼロやカロリー控えめなどが表示されています。まずは、その強調表示のちがいについて確認しましょう。
強調表示の基準は、大きく2種類に分類されます。(※下記参照)
そのため、ゼロと控えめではまったく意味がちがうのです。
強調表示の基準※食品100g(飲料は100ml)あたり
【ゼロ・ノン・レスフリー・無など】
- ・熱量(エネルギー):5kcal未満
- ・糖類:0.5g未満
- ・脂質:0.5g未満
- ・飽和脂肪酸:0.1g未満
- ・コレステロール:0.5g未満
- ※飽和脂肪酸の含有量1.5g未満(飲量は0.75g)
- ※飽和脂肪酸の熱量が10%未満
- ・ナトリウム:5mg未満
【オフ・ライト・ダイエット低・少・控えめなど】
- ・熱量(エネルギー):40kcal以下(飲料は20kcal)
- ・糖類:5g以下(飲料は2.5g)
- ・脂質:3g以下(飲料は1.5g)
- ・飽和脂肪酸:1.5g以下(飲料は0.75g)※熱量10%以下
- ・コレステロール:20mg以下(飲量は10mg)
- ※飽和脂肪酸の含有量1.5g(飲量は0.75g)
- ※飽和脂肪酸の熱量が10%以下
- ・ナトリウム:120mg(飲量も同じ)
表を見て分かるように、カロリーゼロや無糖の表示があっても完全にゼロではありません。
微量ながらも、カロリーや糖類などが含まれているのです。
また、ダイエット表示があると安心して食べてしまいそうですが、ダイエットやオフ表示の食品はゼロ表示食品より、さらに多くのカロリーや糖類などが含まれています。
そのため、ダイエット表示があるからとたくさん食べると、カロリーや糖類を摂り過ぎることにもなるので注意が必要です。
ちなみに、上記の表にないカロリーハーフなど半分を意味する表示は、従来の商品と比べてカロリーなどが半分ということ。
上記の基準値で判断するのではなく、通常のタイプなど他の食品と比較した結果を表しています。
では、ゼロやオフ表示の意味を確認したところで、次はゼロカロリーに欠かせない人工甘味料について見ていきましょう。
人工甘味料(合成甘味料)とは
カロリーゼロや糖質オフのお菓子やジュースには、砂糖がほとんど含まれていないにも関わらず、甘みを感じることができます。
その理由となるのが、人工甘味料。
食品にない甘味成分を人工的に作り出したもので、合成甘味料とも呼ばれています。
人工甘味料の最大の特徴は、カロリーがないこと。
正確にいうとカロリーはありますが、人工甘味料は砂糖よりも数百倍もの甘みがあるので使用量は少なくて済みます。
ですから、製品に添加された人工甘味料のカロリー自体もごくわずかのため、人工甘味料はカロリーゼロと扱われているのです。
また、人工甘味料は血糖値を上昇させないため、糖尿病や肥満気味の人も安心して食べられる甘味料とされています。
しかし一方で、砂糖よりも太りやすいという真逆の研究結果も報告されているのです。
人工甘味料は、本当は体にどんな影響を与えるのでしょうか。
血糖値の急上昇は、肥満や糖尿病につながる
人工甘味料はカロリーが無いだけでなく、血糖値を上昇させないことも大きな特徴です。
では、人工甘味料の体への影響を確認する前に、肥満や糖尿病に関係する血糖値について確認しておきましょう。
血糖値とは、血中に含まれるブドウ糖の値のこと。
ブドウ糖は砂糖などの糖分に含まれていて、私たちの体を動かす主なエネルギー源です。
そのため砂糖や白米など、ブドウ糖の含有量が多い食品を摂取すると、血中にブドウ糖が一気に増えるので血糖値が急上昇します。
血糖値は、高すぎても低すぎても体に良くありません。
そのため私たちの体は血糖値を一定に保つように、ホルモンを分泌して血糖値を調整します。
そのとき分泌されるホルモンのひとつが、血糖値を下げるインスリンです。
ただ、インスリンは肥満ホルモンとも呼ばれていて、体内に脂肪を溜める作用もあります。
そのため、血糖値が急上昇してインスリンが大量に分泌されると、体内に脂肪が溜まりやすく、太りやすくなります。
肥満を防ぐには、血糖値を急上昇させてはいけないのです。
また、肥満は糖尿病を引き起こす原因のひとつ。
糖尿病は血糖値の調整機能がうまく働かず、血糖値が常に高い状態のことで、血行不良を起こし、動脈硬化など他の病気を発症させる危険性があります。
そのため血糖値を上昇させないように、食事に含まれる糖質(ブドウ糖)量を制限しなくてはいけないので、砂糖を使用したお菓子やジュースも食べられません。
そこで注目されたのが、人工甘味料。
人工甘味料は血糖値を上昇させるブドウ糖が含まれていないため、肥満や糖尿病の人も血糖値の上昇を気にせず食べられる甘味料と期待されました。
ところが、人工甘味料を使用した食品を摂取すると、砂糖を摂取した時よりも血糖値が上昇し、太りやすくなるという真逆の作用が報告されたのです。
人工甘味料は砂糖よりも太る?
なぜ、血糖値に影響しないはずの人工甘味料の摂取で、血糖値が上昇したのでしょう?
結論から言うと、私たちは人工甘味料によって血糖値が上昇する人と、血糖値が上昇しない人の2つのタイプがあります。
このちがいは、腸内細菌によるもの。
じつは人工甘味料が腸内細菌に何らかの影響を与えることで、血糖値が上昇すると考えられています。
ただ、腸内細菌は人によってちがうため、人工甘味料による影響も個人差があります。
そして、自分がどちらのタイプか知るには、実際に人工甘味料を摂取して血糖値の変動を見るしかないのです。
もし自分が人工甘味料で血糖値が上がるタイプであれば、砂糖を摂取した時と同じように血糖値が上昇するのです。
さらに、ある研究では人工甘味料によって分泌されるインスリンの量は、砂糖の摂取時に分泌されるインスリンの量よりも20%多いことが確認されています。
となると、人工甘味料で血糖値が上がるタイプの人は、砂糖を使用した従来の食品よりもゼロカロリー食品を食べたときの方が、太りやすくなるのです。
また、血糖値が上昇しないタイプの人も安心できません。
人工甘味料による体への悪影響は、肥満や糖尿病だけではないのです。
人工甘味料を食べると、もっと甘いものが欲しくなる
砂糖の数百倍以上の甘さを持つ人工甘味料は、少量で砂糖と同等の甘さを感じることができます。
しかし、人工甘味料はカロリーゼロという安心感から、過剰に摂りすぎてしまう危険性もあります。
そして、人工甘味料を摂取し続けると、人工甘味料の強い甘さに舌が慣れてしまい、今まで食べていたお菓子やジュースでは満足できず、もっと甘いものが欲しくなるのです。
ちなみに、私たちの体は甘味を舌だけでなく、胃や腸でも感じています。
胃が甘味を感じると、脳に食欲を伝えるホルモン(グレリン)が分泌されるため、人工甘味料に限らず甘いものは、食欲を増進させる作用があります。
なお砂糖は依存性が高く、その依存性からマイルドドラッグと例えられることも…。
しかし人工甘味料の依存性は砂糖以上。麻薬の中でも依存性の高いコカイン以上の依存性があると考えられています。
また、NIH(アメリカ国立衛生研究所)が26万人以上の人を対象とした調査では、人工甘味料を使用した炭酸飲料を摂取すると、うつの発症リスクが高まることが分かっています。
特に、人工甘味料を使用した炭酸飲料を毎日4缶以上飲む人は、そうでない人に比べてうつを発症するリスクが31%も上昇。
うつの発症率が高くなる理由は、許容量以上の人工甘味料が脳神経に影響を及ぼしたのではないかとも考えられています。
人工甘味料の摂取は肥満だけでなく、うつを引き起こす危険性もあるのです。
もちろん、販売されている製品に使用される人工甘味料の量は、私たちの体に影響を与えない範囲内です。
しかし、1日に何本も飲めば許容量を簡単に越え、人工甘味料による悪影響を受ける危険性もあるのです。
以上のことから、肥満や糖尿病のリスク回避だけでなく、人工甘味料の依存や味覚障害、うつのリスクを高めないためにも、人工甘味料を使用した食品は食べない方が安全です。
では、さまざまな食品に使用されている人工甘味料を見分けるために、人工甘味料の種類を確認していきましょう。
人工甘味料の種類
2016年現在、日本及びアメリカで認可されている人工甘味料は5つ。
それはアスパルテーム・ネオテーム・アセスルファムK・スクラロース・サッカリンです。
なお、この5つの人工甘味料は、安全性が確認された上で使用されています。
しかし、長期的な摂取の影響や体内作用などを100%確認することは不可能であり、人工甘味料に限らず100%安全な食品はありません。
ですから血糖値を上昇させないはずの人工甘味料が、血糖値に影響する場合があることが後になって確認されたりするのです。
ただ、下記の人工甘味料の特徴で触れている発がん性などについては、予期せぬ作用ではなく、研究段階で確認されているものなのでしっかり調査されています。
そのため、注意すべきは認可後に発覚した血糖値への影響だけと思いますが、念のためどういう危険性を持っているのか、確認していきましょう。
アスパルテーム
アスパルテームは砂糖の約200倍の甘味があるものの、苦味が少なくすっきりとした甘さが特徴。
低カロリー甘味料として有名な、パルスイートの甘みの主成分としても使用されています。
アスパルテームはアミノ酸由来(アスパラギン酸とフェニルアラニンを結合して製造)のため、体内で分解されてもアミノ酸になるだけで、安全性は高いと考えられています。
ただし、フェニルケトン尿症という代謝障害がある場合は、摂取してはいけません。
フェニルケトン尿症はフェニルアラニンを代謝する力が弱いため、アスパルテームを摂取すると体内にフェニルアラニンが蓄積。
その結果、神経の発達障害やけいれん、皮膚や髪の色素不足などを引き起こしてしまうのです。
また、アスパルテームの一部は体内でメチルアルコールに分解されるのですが、その毒性が視神経に影響して失明する危険性や、脳腫瘍やがんへの影響を問題視する声もあります。
しかし、アスパルテームを含めすべての添加物は、毎日摂り続けても健康に害を与えないADI(許容一日摂取量)の基準内の量しか使用されていません。
そもそも、アスパルテームの甘さは砂糖の200倍もあるので、使用量自体が微量。
そのわずかな量のさらに一部がメチルアルコールに分解されても、体への影響は問題ないと考えられています。
ネオテーム
ネオテームは、フェニルケトン尿症の人がアスパルテームを摂取できないことから開発されました。
ネオテームはアスパルテームを原料として、体内でフェニルアラニンに分解されないように改良されたもの。
そのため、フェニルアラニンを代謝できないフェニルケトン尿症の人でも摂取できる人工甘味料です。
ただ、ネオテームを開発したのはモンサント(遺伝子組み換え種子の世界最大メーカー)のため不信感を持つ人や、ネオテームの原料として使用される有害物質(3,3-ジメチルブチルアルデヒド)の影響を心配する声もあります。
しかしEFSA(欧州食品安全機関)のおこなった毒性試験において、遺伝毒性が無いことは確認されています。
また、低度の急性毒性はあるものの、アスパルテームと同じく体に影響を及ぼすものではありません。
ネオテームの甘味はアスパルテームの約30~60倍、配合によっては最大で砂糖の13,000倍もの甘さを作り出せます。
他の人工甘味料よりも圧倒的な甘さを持つため、使用量は少なくコスト削減効果も。
今後、より多くの食品に利用されると考えられています。
アセスルファムK(アセスルファムカリウム)
アセスルファムKは酢酸由来のジケテン、塩素安定剤に使用されるスルファミン酸、水に溶かすと硫酸になる三酸化硫黄の3つを合成したもの。
甘味の強さは、砂糖の約200倍です。
甘味を感じさせるスピードが早く、あっさりと後に残らない甘さが特徴。
ただ、高濃度になると苦味を感じるため、通常は他の甘味料と合わせて使用されます。
アセスルファムKの注意点は、大量摂取しないこと。
厚生労働省では、ラットを使ったアセスルファムKの急性毒性試験において、ラットにアセスルファムKを6,300mg/kg体重を摂取させた結果、ラットが死亡したと報告されています。
私たちが摂取するアセスルファムKのADI(許容一日摂取量)は15mg/kg体重と、ラットが死亡した6,300mgよりもかなり低い数値が設定されているため、通常に摂取する分には影響ありません。
とはいえ、清涼飲料水はアセスルファムKの使用量が多く、1日に何本も飲めば1日の摂取許容量を超える場合もあります。
摂取量をオーバーしたからすぐに影響が出るとは考えにくいですが、ゼロカロリー飲量を飲む場合はアセスルファムKの使用量を確認し、1日に何本も飲むのは控えましょう。
なお、アセスルファムKに含まれる塩化メチレンは発がん性物質ですが、厚生労働省では基準値内の使用において、発がん性はないとしています。
スクラロース
スクラロースの甘味は、砂糖の約600倍。
熱や酸に強いので、ヨーグルトやクッキーなどジャンルを問わず利用されています。
なお、スクラロースは有機塩素系の化合物です。
有機塩素系化合物には、農薬やダイオキシンなどの有害物質も含まれているため、スクラロースにも毒性が疑われています。
しかし、スクラロースも他の人工甘味料と同じく、体に影響しない基準値の範囲内でしか使用されていません。
さらに、スクラロースの安全性はWHO(世界保健機関)やEFSA(欧州食品安全機関)でも確認されています。
サッカリン
サッカリンの甘さは、砂糖の約700倍。
戦時中に砂糖の代用品として、アメリカを中心に普及しました。
ところが、1 960年代の動物実験において発がん性が疑われ、使用禁止に。
その後、発がん性は別の成分だったことが確認されたため、サッカリンの使用禁止は取り消されたのですが、今も発がん性のイメージは払拭できていません。
ある研究では発がん性ではなく、がん細胞の成長を遅らせる作用があると報告されています。
しかし、発がん性のイメージから嫌悪感を示す消費者も多く、他の人工甘味料と比べて食品への使用は少ないのが現状です。
その代わりに、歯磨き粉などの日用品に利用されています。
以上5つが、日本で使用されている人工甘味料(合成甘味料)です。
どれも定められた使用量の範囲であれば、上記による影響は受けないでしょう。
結局、通常の商品と0カロリー食品、どっちを選べばいい?
では、これまでに確認した内容をおさらいしましょう。
人工甘味料が体に与える影響
- 血糖値が上がる人と上がらない人がいる
- 血糖値が上がると、砂糖よりも肥満ホルモン(インスリン)が大量に分泌される
- 血糖値が上がると、肥満や糖尿病のリスクにつながる
- 血糖値が上がらない人も、糖尿病の危険因子(Hba1c値)が上がる危険性がある
- 甘みに鈍感になり、もっと甘いものが欲しくなる
- 許容量以上の摂取は、うつ病のリスクを高める
このように、人工甘味料は肥満や糖尿病、うつのリスクを高める危険性や、甘さへの依存、味覚の低下など、体に悪影響を与えます。
そのため、人工甘味料を使用したゼロカロリー食品ではなく、砂糖を使用した従来の食品を選ぶほうが安全です。
カロリーゼロという表面的な魅力に、惑わされてはいけません。
ただ、人工甘味料よりも砂糖の方が安全とはいえ、砂糖や天然甘味料にも注意したいポイントがあります。
最後に、その注意点を確認していきましょう。
砂糖や天然甘味料の注意点
私たちが摂取している甘味料は、サトウキビやてん菜を原料とする砂糖をはじめ、トウモロコシやジャガイモを利用したブドウ糖・糖アルコールなど、さまざまな種類があります。
甘味料の種類
では、砂糖をはじめ、果物・ハチミツ・ブドウ糖果糖液糖・キシリトール・ステビアの注意点について、確認していきましょう。
砂糖
砂糖は、料理に欠かかせない調味料のひとつ。
しかし砂糖を食べると子どもがキレるという有害説から、砂糖を危険と思っている人もいるのでは?
砂糖有害説にある、暴力性や骨への影響は科学的に否定されているため、心配する必要はありません。
ただし、現代の私たちは砂糖を必要以上に摂取しています。
WHO(世界保健機関)も砂糖の摂取量を、大人で1日25g(ティースプーン6杯)未満にするように呼びかけています。
そもそも砂糖は栄養素ではなく嗜好品の部類に入るので、少量を楽しんで摂り過ぎないように気をつけましょう。
※砂糖の詳しい内容は、こちらをご覧ください。
果糖
果物の甘みの主成分は果糖、血糖値を上げにくい性質があります。
(ちなみに、血糖値の上昇作用があるのはブドウ糖です。)
ただ、果糖は中性脂肪として体内に蓄積されやすい特徴も。
そのため、お菓子よりも果物のほうがヘルシーと思って食べ過ぎると、肥満の原因になります。
果物も過剰摂取には注意しましょう。
ハチミツ
花の蜜を集めたハチミツは砂糖よりも自然なイメージが強く、砂糖有害説を心配した人の中には、調味料を砂糖からハチミツに代えた人もいるのでは?
しかし先ほどもお話したとおり、砂糖有害説は科学的に否定されています。
また砂糖有害説の主軸となる低血糖は、血糖値を上げやすい食品なら砂糖以外でも起こると考えられています。
血糖値の影響度合いを示すGI値は、100gあたり砂糖(上白糖)が108、ハチミツは87。
たしかに砂糖のほうが高いですが、ハチミツのGI値も十分高いため、低血糖を引き起こす危険性は十分考えられます。
そのためハチミツも砂糖と同じく、摂り過ぎには注意が必要です。
また、海外産のハチミツには嘔吐やめまいなどの中毒症状を引き起こす、ツツジの蜜が含まれている場合があります。
ハチミツを購入する際は、どの花の蜜が含まれているか確認して選びましょう。
ブドウ糖果糖液糖
ブドウ糖果糖液糖という表示を、見たことがある人も多いと思います。
トウモロコシのデンプンから作られる、コーンスターチが原料の液糖です。
液体のため溶かす必要がなく、飲料をはじめ加工に利用されやすいのが特徴。
なお、ブドウ糖と果糖の含有量によって呼び名は変わります。
果糖の割合が50%未満のものをブドウ糖果糖液糖、果糖が50%以上~90%未満を果糖ブドウ糖液糖、果糖が90%以上を高果糖液糖、これらの総称が異性化糖と呼ばれています。
血糖値を上昇させるブドウ糖と、中性脂肪になりやすい果糖という、肥満になりやすい2つの要素を持つブドウ糖果糖液糖。
もちろん、砂糖にもブドウ糖と果糖は含まれています。
ただし砂糖の主成分はショ糖といって、ブドウ糖と果糖が結合したもの。
そのため、体内でブドウ糖と果糖に分解されてから吸収されます。
一方、ブドウ糖果糖液糖(異性化糖すべて)はブドウ糖と果糖がそれぞれ含まれている状態。
体内で分解する必要がないため、砂糖よりも早く血糖値を上昇させて、肥満ホルモン(インスリン)の大量分泌を促す危険性があります。
特に、飲料はブドウ糖果糖液糖の含有量が多いため、毎日ジュースを飲むのは避けましょう。
キシリトール
キシリトールはトウモロコシの芯に含まれる、キシロースという糖を分解して作らる甘味料。
虫歯を抑制する作用が認められており、虫歯予防ガムに多く利用されています。
ただ、キシリトールガムの注意事項にもあるように、キシリトールは1日に20~30g摂取すると、お腹がゆるくなり下痢などの症状を引き起こす場合があります。
これはキシリトールだけでなく、糖アルコールに分類されるすべての甘味料で起こるもの。
キシリトールをはじめとする糖アルコールは、分解の過程で大腸の水分吸収を阻害する作用があるため、吸収されなかった水分を排出しようと下痢を起こすのです。
この下痢症状は摂取量を守れば問題ありません。
ただ、糖アルコールや先ほどのブドウ糖果糖液糖の原料となるトウモロコシは、ほぼ遺伝子組み換えで作られています。
原型が分からないほど加工されているので、遺伝子組み換えの影響があるかどうかは分かりませんが、原料は遺伝子組み換えであるということは認識しておきましょう。
また、羅漢果(らかんか)というウリ科の植物を原料とするエリスリトールは、自然由来のゼロカロリー甘味料として注目されています。
糖アルコールの中では下痢を起こしにくく、厚生労働省でも安全とされる一方で、人工甘味料と同じ危険性を疑う声も。
どちらにしても甘味料は嗜好品という意識を持ち、摂り過ぎないように気をつけましょう。
ステビア
ステビアはキク科の葉に含まれる甘味料。
植物由来の甘味料のため安全なイメージがありますが、ステビアは不妊の薬として使用されていた過去があります。
ラットを使用した実験でも、ステビアを大量に摂取したラットは妊娠しにくいという結果も報告されています。
一方、WHO(世界保健機関)はステビアの安全性を認めているため、それほど気にする必要はないのかもしれません。
ただ、ステビア以外にも甘味料はたくさんあるので、妊活中などは他の甘味料を使用しても良いでしょう。
まとめ
人工甘味料は、糖尿病患者の人も安心して食べられる甘味料として注目されていましたが、
まさかその人工甘味料によって糖尿病や肥満のリスクが高まるとは、思いもよりませんでした。
やはり肥満や血糖値の上昇を防ぐには、食生活や運動不足の見直しなど、地道にがんばるしかありません。
これからは人工甘味料を使用した食品は避け、砂糖を使用したお菓子や果物などをバランス良く摂り入れるように、心掛けていきましょう。