バランス栄養食品は栄養バランスが悪い?栄養ドリンクも効果は一切なし?

バランス栄養食品は栄養バランスが悪い?栄養ドリンクも効果は一切なし?

野菜を食べなくても、簡単に栄養が摂れるバランス栄養食品。
カロリーメイトやウィダインゼリーなどの製品によっては、1日に必要なビタミンが一度に摂取できるものもあります。

そのため、お菓子やパンよりも体に良いと、朝食やおやつに食べている人もいるのでは?

しかし、バランス栄養食品だけで栄養は補えません。
それどころか、バランス栄養食品ばかり食べていると、反対に栄養バランスが偏ってしまうのです。

そこで、バランス栄養食品の危険性について調べてみました。
どのくらい栄養が摂れて、どんな点に注意すれば良いのか、確認していきましょう。

バランス栄養食品の栄養価はどのくらい?

バランス栄養食品の栄養価はどのくらい?

バランス栄養食品をおやつ感覚で食べる人もいると思いますが、やはり気になるのは含まれている栄養素の量。

具体的な疑問として思い浮かぶのは…

「どれだけ栄養が含まれているか」
「バランス栄養食品だけで、1日に必要な栄養を摂取できるか」
「バランス栄養食品は、野菜の代わりになるか」など。

では上記の疑問について、バランス栄養食品の中でも人気のある4点(カロリーメイト、ウィダインゼリー、ソイジョイ、バランスアップ)で、チェックしていきましょう。

また後半には、栄養ドリンクとエナジードリンクの危険性や注意点についてもお話していますので、こちらも一緒にご確認ください。

まず1つ目は、カロリーメイトです。

カロリーメイトで1日に必要な栄養は補える?

私たちの体を健康に保つには、5大栄養素と呼ばれる糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取する必要があります。

その5大栄養素をバランスよく摂取できるのが、カロリーメイト。

早速、カロリーメイトにどのくらい栄養が含まれているか見ていきましょう。

今回チェックするのは、カロリーメイト1箱(プレーン:4本入り)に含まれる栄養価。
私たちが1日に必要な栄養素の量に対して、どのくらいの割合を占めるか見ていきましょう。

【1日に必要な栄養素の摂取基準とカロリーメイトの栄養価】

※割合…1箱分の栄養価が摂取基準の何%を占めるか(男女の中央値)

1日に必要な栄養素の摂取基準カロリーメイト
-単位男性女性1箱(4本)割合%
エネルギーkcal2650200040018
たんぱく質g5040818
脂質g総エネルギーの20~30%21.99
糖質g総エネルギーの50~65%41.77
ビタミンAμg850~900650~70022530
ビタミンDμg5.55.52.545
ビタミンEmg6.56465
ビタミンB1mg1.3~1.41.0~1.10.543
ナイアシン
mg14~1511~125.544
ビタミンB2mg1.5~1.61.1~1.20.647
ビタミンB6mg1.41.20.539
葉酸μg24024010042
ビタミンB12μg2.42.4142
パントテン酸mg54~52.863
ビタミンCmg1001004040
カルシウムmg650~80065020028
リンmg1000800809
マグネシウムmg340~370270~2905017
塩分相当量g8.0未満7.0未満0.710
カリウムmg2500200011050
mg7.0~7.510.52.530
食物繊維g2018211

※1μg(マイクログラム)=0.001mg
※参照元:厚生労働省-「日本人の食事摂取基準(2015年版)」

上記の表を見ても分かるように、カロリーメイトには21種類の栄養素(食物繊維含む)が含まれています。

これだけの栄養素を補うには、野菜や果物、肉、魚など、さまざまな食品を摂取する必要がありますが、カロリーメイトは簡単にいろんな栄養素を補うことができます。

ただ、気になるのが栄養素の割合。
表の右端にある割合は、摂取基準に対してカロリーメイトに含まれている栄養素の割合を示したものですが、7~65%と種類によって大きな差があります。

特に少ないのは脂質、糖質、たんぱく質です。
この3つの栄養素は他の栄養素より多くの量を必要とする、いわば栄養素の主軸。

しかし、カロリーメイト1箱分で摂取できる割合は7~18%と、体に重要な栄養素を摂取するにはあまりにも力不足です。

ただ、カロリーメイトにさまざまな栄養が含まれているのは事実。

では、カロリーメイトだけしか食べなかったり、野菜の代わりにカロリーメイトを摂取すれば、栄養バランスの良い食生活が送れるのでしょうか?

カロリーメイトは1箱400kcalなので、女性の1日に必要なエネルギー2000kcalに合わせて5箱食べた場合と、野菜の代わりに毎食1箱(合計3箱)食べた場合に摂取する栄養素の量を見てみましょう。

【カロリーメイト(5箱/3箱)に含まれる栄養価】

1日に必要な栄養素の摂取基準カロリーメイト
-単位男性女性5箱(20本)3箱(12本)
エネルギーkcal2650200020001200
たんぱく質g50404024
脂質g総エネルギーの20~30%109.565.7
糖質g総エネルギーの50~65%208.5125.1
ビタミンAμg850~900650~7001125675
ビタミンDμg5.55.512.57.5
ビタミンEmg6.562012
ビタミンB1mg1.3~1.41.0~1.12.51.5
ナイアシン
mg14~1511~1227.516.5
ビタミンB2mg1.5~1.61.1~1.231.8
ビタミンB6mg1.41.22.51.5
葉酸μg240240500300
ビタミンB12μg2.42.453
パントテン酸mg54~5148.4
ビタミンCmg100100200120
カルシウムmg650~8006501000600
リンmg100080080240
マグネシウムmg340~370270~290250150
塩分相当量g8.0未満7.0未満3.52.1
カリウムmg25002000550330
mg7.0~7.510.512.57.5
食物繊維g2018106

※赤字…摂取基準オーバー
※1μg(マイクログラム)=0.001mg

結論からいうと、カロリーメイトだけの食事や野菜の代わりにカロリーメイトを食べると、栄養バランスは偏ります。

その理由の1つは、ビタミンの含有量の多さ。
カロリーメイトは、1箱で1日に必要なビタミンの約半分が摂取できるとされています。

そのため1日に3箱以上摂取すると、カロリーメイトに含まれるビタミンはすべて1日の必要量を超えてしまうのです。(上記の表、赤文字の箇所すべて)

たとえ栄養素でも必要以上に摂取すれば、副作用を引き起こす可能性があります。

ただし、過剰摂取による副作用のリスクは、耐容上限量(摂取基準を大幅に超えた特定の値)を超えた場合に発生すると考えられています。

過剰摂取による副作用のリスクは、耐容上限量(摂取基準を大幅に超えた特定の値)を超えた場合に発生すると考えられています。

なお、耐容上限量は1日の必要量よりはるかに多い値です。

そのためカロリーメイトを5箱摂取しても耐容上限量には達しないので、副作用の心配はありません。
ただ必要以上に栄養を摂取しても、健康効果は得られないでしょう。

カロリーメイトに足りない栄養素とは

カロリーメイトに足りない栄養素とは

一方、過剰摂取とは反対に、摂取不足になる栄養素があります。
主要となる栄養素の中で、カロリーメイトにはビタミンK、銅、亜鉛の3つがまったく含まれていないのです。

ビタミンKは止血や骨の強化、銅は鉄の吸収や活性酸素の消去、亜鉛は細胞の成長促進など。
どれも健康な体を維持するには、欠かせない重要な栄養素です。

カロリーメイトだけで栄養を摂取しようとすれば、これらの栄養素が不足します。
過剰による副作用とちがい、栄養不足は体に症状が出やすいので、カロリーメイトだけの食生活は健康に良くありません。

またビタミンが多く含まれていますが、野菜の代わりに摂取するのもおすすめできません。

カロリーメイトは1日に必要なビタミンの約半分を摂取できるものの、野菜より劣っている点が1つあります。

それは食物繊維が少ないこと。

食物繊維の1日の必要量は男性20g、女性18gですが、カロリーメイト1箱分に含まれる食物繊維の量はわずか2g。

食物繊維の1日の必要量は男性20g、女性18gですが、カロリーメイト1箱分に含まれる食物繊維の量はわずか2g。
そのため、野菜の代わりにカロリーメイトを摂取し続ければ、食物繊維が不足します。

食物繊維は便の量を増やして腸内環境を整えたり、血糖値の上昇やコレステロールの吸収を抑える作用があります。

特に、便秘気味の人がカロリーメイトばかり食べると、症状が悪化する場合があるので注意しましょう。

また、カロリーメイトはダイエット食におすすめとも言われますが、その理由は摂取カロリーが把握しやすいから。

カロリーメイトは1本あたり100kcal。
目盛りがついているので、分割したときのカロリーも計算しやすくなっています。

カロリーメイトを食べると痩せると勘違いしている人もいますが、カロリーメイトを食べても痩せません。
むしろ1本100kcalと高カロリーなので、食べ過ぎには要注意。

ダイエット中の摂取カロリーを把握するため、そして本来の食事の栄養補助食品として上手に利用しましょう。

続いて、ウィダインゼリーです。

ウィダインゼリーで1日に必要な栄養は補える?

ウィダインゼリーはエネルギー、ビタミン、ミネラル、プロテインの4種類。

カロリーメイトのように5大栄養素(たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル)をバランスよく含むのではなく、いずれか1つの栄養素に特化しているので、不足した栄養素だけを集中的に補うことができます。

ただし、どの栄養素も必要だからとはいえ、4種類すべて摂取しても1日に必要な栄養素は得られません。
そればかりか、過剰摂取になる栄養素と摂取不足になる栄養素の差が出て、栄養バランスは悪くなってしまいます。

では、4種類(エネルギー・ビタミン・ミネラル・プロテイン)のウィダインゼリーを摂取した場合、どのくらいの栄養が摂れるか見てみましょう。

【1日に必要な栄養素の摂取基準とウィダインゼリー栄養価】

※4種の合計:ウィダインゼリー4種の最大値で計算

-単位男性女性4種の合計摂取基準
エネルギーkcal26502000450不足
たんぱく質g50405不足
脂質g総エネルギーの20~30%0不足
糖質g総エネルギーの50~65%108不足
ビタミンAμg850~900650~700490不足
ビタミンDμg5.55.58.7過剰
ビタミンEmg6.563.9不足
ビタミンB1mg1.3~1.41.0~1.11.3適量
ナイアシン
mg14~1511~1211適量
ビタミンB2mg1.5~1.61.1~1.21.2適量
ビタミンB6mg1.41.21.6過剰
葉酸μg2402401150過剰
ビタミンB12μg2.42.45過剰
パントテン酸mg54~513過剰
ビタミンCmg100100400過剰
カルシウムmg650~800650293不足
マグネシウムmg340~370270~29035不足
塩分相当量g8.0未満7.0未満0.4適量
mg7.0~7.510.52.5不足
mg0.9~1.00.80.2不足
亜鉛mg1082.3不足

※1μg(マイクログラム)=0.001mg
※4種の合計は最大値で計算

4種類すべてを摂取すると、多くのビタミン類が過剰摂取に、その他の栄養素は摂取不足となります。

その中でも、葉酸は耐容上限量の1000μgを超えるため、副作用のリスクが発生。
葉酸の過剰摂取は発熱やじんましん、味覚を正常に保つ亜鉛の吸収を阻害する恐れがあります。

また過剰摂取のビタミン類以外は、ほぼ摂取不足に。
特に脂質、ビタミンK、リン、カリウム、食物繊維はまったく含まれていません。

よく、ダイエットや肥満予防のために油の摂取量を抑える人もいますが、油は私たちの全身にある細胞や脳に欠かせない栄養素。
私たちの体は、脂質なしでは正常に機能できないのです。

脂質以外の栄養素も、ビタミンKは止血や骨の強化、リンは骨や歯の構成成分、カリウムは余分な塩分の排出など、どれも健康な体に欠かせません。

ウィダインゼリーの主原料は果糖ぶどう糖液糖

ウィダインゼリーの主原料は果糖ぶどう糖液糖
また栄養バランスだけでなく、ウィダインゼリーの食べ過ぎは肥満のリスクを高めます。

その理由は、ウィダインゼリーの原料。
ウィダインゼリーはミネラルタイプを除いて、果糖ぶどう糖液糖を主原料として作られています。

果糖ぶどう糖液糖とは、コーンスターチ(トウモロコシのデンプン由来)が原料の液糖。
果糖とブドウ糖の2つの糖類が含まれていて、それぞれ体脂肪を増やす作用があります。

まず1つ目の果糖は、中性脂肪になりやすい性質があります。
そのため消費カロリー以上の摂取分は、すぐに脂肪となって体内に蓄積されるのです。

果糖ぶどう糖液糖は果糖が50%以上を占めるので、おやつ代わりに食べ過ぎると肥満につながります。

2つ目のブドウ糖は、血糖値を上昇させることで肥満リスクを高めます。

血糖値は食品に含まれるブドウ糖によって上昇するのですが、そのときに分泌されるインスリンが肥満の要因。

インスリンは血糖値を下げる働き以外に、脂肪の合成を促したり、体内にある脂肪の分解を阻害する作用があるのです。

ただ、ウィダインゼリーに限らず、ブドウ糖を含む食品であればインスリンは分泌されます。

しかしウィダインゼリーに含まれる果糖ぶどう糖液糖は液状のため、体内で分解する必要がなく、他の食品よりも血糖値が上がりやすいと考えられているのです。

血糖値は急上昇するほどインスリンの分泌量が多くなるため、果糖ぶどう糖液糖が含まれるウィダインゼリーは、より脂肪を体内に溜めやすくなるのです。

また果糖ぶどう糖液糖ではなく、マルトデキストリンが主原料の種類もありますが、マルトデキストリンも糖類の1つ。
ブドウ糖よりも血糖値を上昇させる速度は遅いものの、血糖値の上昇作用はあるので要注意です。

ウィダインゼリーはゼリー状で飲みやすいですが、過剰摂取しないように注意しましょう。

次は、ソイジョイです。

ソイジョイは意外と栄養がない?

ウィダインゼリーは血糖値の急上昇によって肥満リスクにつながる恐れがありましたが、ソイジョイは血糖値の上昇をゆるやかに抑えた低GI食品です。

引用元:SOYJOY公式サイト

ウィダインゼリーは血糖値の急上昇によって肥満リスクにつながる恐れがありましたが、ソイジョイは血糖値の上昇をゆるやかに抑えた低GI食品です。

GI(グリセミックインデックス)とは、食品によって血糖値が上昇する速さの値のこと。

ブドウ糖を摂取した場合を100とし、それを基準に他の食品のGI値が設定されています。
GI値70以上を高GI食品、56~69を中GI食品、55以下を低GI食品と区別されています。

GI値が低いほど血糖値の上昇は緩やかになるので、インスリンも少量しか分泌されず、肥満リスクにつながりません。

ウィダインゼリーは血糖値の急上昇によって肥満リスクにつながる恐れがありましたが、ソイジョイは血糖値の上昇をゆるやかに抑えた低GI食品です。

引用元:SOYJOY公式サイト

また、ソイジョイは大豆を丸ごと使用しているため、たんぱく質や大豆イソフラボンを摂取できて健康的なイメージがあります。
しかし、栄養はそれほど含まれていないのです。

下記は、ソイジョイ(11種類)に含まれる栄養価です。

 1本あたり
エネルギー119~146 kcal
たんぱく質4.1~6.5 g
脂質5.6~9.9 g
糖質6.7~13.7 g
食物繊維2~4.7 g
大豆イソフラボン13~16 mg

3大栄養素のたんぱく質、脂質、糖質を含み、1本100kcalと高カロリーですが、その他の栄養成分は大豆イソフラボンだけ。
ビタミンやミネラルは一切含まれていないのです。

カルシウムやビタミンなどを含むタイプもありますが、基本の栄養素はこの4つ。
栄養バランス食品というよりも、おやつ代わりの栄養食品です。

ただ、ソイジョイの原料にも気になる点が2つあります。
それは食用植物油脂と難消化性デキストリンです。

1つ目の食用植物油脂は、ソイジョイの販売元である大塚製薬に問い合わせたところ、返答内容は数種類の植物油をブレンドしているとのこと。
じつは、同じく大塚製薬が販売元のカロリーメイトの油についても問い合わせたのですが、返答内容が少しちがったのです。
じつは、同じく大塚製薬が販売元のカロリーメイトの油についても問い合わせたのですが、返答内容が少しちがったのです。

カロリーメイトも数種類の植物油のブレンド油でしたが、そのブレンド油はトランス脂肪酸フリーということ。

【カロリーメイト】数種類の植物油をブレンドした油(トランス脂肪酸ゼロ)
【ソイジョイ】数種類の植物油をブレンドした油(トランス脂肪酸の有無不明)

この返答内容では、ソイジョイに使用されている油はトランス脂肪酸が含まれている恐れがあります。

トランス脂肪酸は、血中のHDL(善玉)コレステロールを減らし、LDL(悪玉)コレステロールを増やす作用により、動脈硬化のリスクを高める体に有害な成分。

ソイジョイを食べると、その有害なトランス脂肪酸を摂取する恐れがあるのです。

2つ目の難消化性デキストリンは、血糖値の上昇を抑える作用があり、ソイジョイ以外にも多くの健康食品に利用されています。

ただ、難消化性デキストリンは遺伝子組み換えのトウモロコシを原料に使用している可能性があります。

遺伝子組み換えの作物は安全性が確認されているとはいえ、長期的な摂取や自然界への影響に対する不安点は解決されていません。

次のバランスアップも原料に不安な点があります。

バランスアップは有害なトランス脂肪酸が含まれている

バランスアップは有害なトランス脂肪酸が含まれている

ソイジョイと同じく、アサヒの「バランスアップ」もトランス脂肪酸に注意が必要です。

バランスアップは、玄米粉や小麦ブランの生地にクリームを挟んだお菓子のような栄養調整食品で、1日に必要なカルシウムと鉄の30~60%を摂取できます。

日本人はカルシウムや鉄の摂取量が不足しているため、お菓子感覚で簡単に摂取できるのは嬉しいです。

しかし、バランスアップにはショートニングが多く含まれています。
ショートニングとは、植物油に水素添加した加工油(硬化油)をクリーム状にしたもの。

先ほど、動脈硬化のリスクになるトランス脂肪酸のことをお話しましたが、トランス脂肪酸は植物油を水素添加した際に発生するのです。

そのため水素添加した植物油を原料とするショートニングにも、トランス脂肪酸が多く含まれています。

カルシウムや鉄を補えるとはいえ、有害なトランス脂肪酸を摂取しては栄養食品の意味がありません。
カルシウムは乳製品や煮干し、鉄は魚介類や海藻、卵黄などから摂取するようにしましょう。

このように栄養食品とはいえ、原料も100%体に良いとは限らないのです。

最後に、栄養ドリンクやエナジードリンクの注意点も見ていきましょう。

栄養ドリンクを飲んでも元気にならない?

栄養ドリンクを飲んでも元気にならない?

飲むだけで疲労が回復し、元気が出るという栄養ドリンク。
しかし、その効果に科学的な根拠がないことを知っていますか?

よく、リポビタンDなどの栄養ドリンクには、『タウリン1000mg配合』とタウリンが豊富に含まれていることがアピールされています。

タウリンとは、イカやタコ、貝類に多く含まれるアミノ酸類の1つ。
私たちの体内では脳や心臓、肝臓、筋肉などに高濃度で含まれています。

しかし、タウリンに疲労回復の効果があるとは確認されていないのです。

タウリンの作用で確認されているものは、血中のコレステロール低下作用と、肝機能や心不全の症状改善のみ。

また、効果が確認されているコレステロールの低下作用も、タウリン以外に魚の脂肪に含まれるEPAとDHAを摂取した研究結果であり、タウリンだけの作用とは言えません。

このようにタウリンの作用は曖昧だったり、確認されていないものが多いにも関わらず、なぜか疲労回復の効果があると、さまざまな栄養ドリンクが販売されているのです。

なお、私たちが1日に必要とするタウリンの量は500mg程度。
ほとんどの栄養ドリンクはタウリンが1000mg以上含まれているので、1日に必要な倍の量を摂取することになります。

タウリンは必要量以上に摂取しても尿と一緒に排泄されるため、500mg以上摂取しても健康に問題ないとされています。
しかし、一度に大量摂取した場合は、吐き気や下痢を引き起こす場合があるので注意しましょう。

エナジードリンクは2本以上飲まない

エナジードリンクは2本以上飲まない

一方、エナジードリンクはタウリンではなく、カフェインの興奮作用によって気分を高揚させる効果を得ています。

代表的なエナジードリンクといえば、レッドブルやモンスターエナジー。
それぞれのカフェイン量は100mlあたり、レッドルが32mg、モンスターエナジーが40mg。

1缶摂取した場合は、レッドブル(250ml)が80mg、モンスターエナジー(355ml)は142mgのカフェインを摂取することになります。

カフェインの摂取量に目安はありませんが、欧州食品安全機関では1日の摂取量は400mg(1回の摂取量は200mg)以下が安全範囲と考えられています。

ただ、子どもや体質によっては400mg以下でもカフェインの興奮作用の影響を受けやすく、不眠や不整脈、精神不安定などの症状が引き起こされる場合があります。

特にモンスターエナジーは1度に2本以上飲むと、1回あたりの摂取量の目安を超えてしまうため、必ず1本までに留めましょう。

まとめ

「1日に必要なビタミンが摂取できる」などの表示があると、簡単に栄養補給ができるとつい利用してしまいますが、バランス栄養食品はあくまで栄養摂取の補助に過ぎません。

バランス栄養食品に頼りすぎれば、栄養バランスが崩れたり、知らないうちに体に有害な成分を摂取する恐れもあります。

栄養バランスを整えるには、手間でもさまざまな食品から摂取するようにしましょう。

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